連日、ニュースは組閣のことで溢れています。選挙のためのイメージアップ内閣であることは明らかで、「脱小沢」などカモフラージュに過ぎず、「批判を一身に浴びて一度は身を引き、選挙を終えた後に、また要職に返り咲く」小沢さんの常とう手段です。

そんな中で、どの紙面を見ても口蹄疫の現地の状況が伝わって来ず、宮崎に行ったら色々と見聞きして、情報収集をしなければと思っておりました。

発生源とされる川南町や畜産農家の現地にまで行くことはしませんでしたが、(自分がウイルスを運ぶ危険があるため)可能な範囲で生活状況や現地の皆様のご意見・様子、そして現場で頑張っている自衛隊の現況などの把握に努めました。

宮崎全般にそうですが、「非常事態宣言」以来、表を行き交う人が少なく、「観光」を経済の大きな柱としている宮崎にとっては深刻な事態が続いています。4日の終息宣言と共に「移動・搬出制限解除」が出された「えびの市」では安堵の声が広がりましたが、経済的ダメージの余波はまだまだ続き、現地の皆さんは大変にご苦労されています。昼食を市内の飲食店でいただいた時のこと、ご主人が「制限中は生きた心地がしなかった。解除になってお客様がお店に入ってこられた時、涙が出るほど嬉しかった」と言われたのが印象的でした。震源地の川南町や新富町は、まだ「制限解除」に至っていません。しかし、現地の皆様の涙ぐましい努力で、感染の拡大に一定の歯止めが掛かり、「ウイルスによる感染拡大は、終息に向かいつつある」ということを地元県議からお聞きして、「お疲れさまです」という気持ちでいっぱいになりました。

しかし、まだまだ町の雰囲気は異常な状態が続いております。町中の道路には帯状の白い消毒剤が捲かれ、畜産業の近くには車の消毒ポイントが設けられています。
$ことら大尉のハート録!
(消毒をする現地スタッフ:比較的おさまった場所で撮影。自衛隊員ではありません)

困ったことは、現地ではウイルス感染による不安から、人と人との接触を避けるようになっていること。勿論、大規模な集会等は中止です。畜産をされている農家の反応はより厳しく、互いの畜産農家間の往来を完全に断ったうえ、家族であっても「実家に戻れない」状態が続いているそうです。中には「子供が菌を運んでくるかも知れないので、学校にやりたくないのが本音」という農家もありました。生活がかかっているのですから、お気持ちも十分にわかります。

自衛隊員も頑張っていました。暑い中で防護服に身を包み、一心に消毒作業や埋葬作業を続ける隊員の皆さんがいるにもかかわらず、メディアでは全くと言っていいほど報道されません。現地の映像は流さずとも、「現地ではこれだけ頑張っているんですよ」という報道くらいあっても良いのではないでしょうか?災害派遣の度に、意図したように画面に自衛隊員の映像を移すことを避けるメディアの姿勢に、今回も同様の嫌悪感を感じました。

現地に入っているのは都城の部隊です。1週間交代でシフトを組み、現地の対応に当たっています。当初、都城の住民から「自衛隊がウイルスを持ち変えると困るから、帰ってきた自衛隊員は潜伏期間は外出しないようにして欲しい」という要望まで持ち上がったそうです。議会において基地司令から「実家が畜産をしている隊員や、家の近くに畜産業を営む農家の在る隊員は、当初より対象から外してあります。また、現地で活動にあたった隊員は、現地で消毒の後、新品の戦闘服に着替えてから帰隊し、帰隊後も再度の消毒と部隊での入浴をした後、帰宅させています。」と説明をして、ようやくご理解をいただけたそうです。こうした現地の涙ぐましい努力は一切報道されません。都城の部隊の皆さん、本当に御苦労さまです。みんなのために一夜ありがとうございます。

口蹄疫による全体の被害終息(経済被害や後の風評被害も含む)を考えると、まだまだ時間がかかるでしょう。しかし、まずは被害の拡大を食い止めることが先決で、被害を受けた農家をしっかりと支えてあげるのが第二の対処。そして、そこから波及した経済ダメージの復興にあたり、そして再発防止のための感染ルートの特定と再発防止手段を徹底して、初めて全ての「終息宣言」が出るのだと思います。

現地で指揮をされている東国原知事の心労は大変なものでしょう。どうか、お体を大切に。わずかに見聞きした断片的情報ではありますが、現地のレポートを綴らせていただきました。