昔、リチャード・ギア主演の「愛と青春の旅立ち」という映画がありました。米国海軍士官学校のパイロット課程が舞台で、ザックなる主人公が、不遇な自分の生い立ちを乗り越えながら、人間として軍人として成長する姿を描いた青春ドラマです。

この映画に、フォーリー軍曹メラメラという「教育係の鬼軍曹」が登場します。パイロットの卵たちを鍛え上げ、一人前の海軍士官にするのが彼の任務。「お前なんか辞めてしまえ!」と罵る軍曹に対して、ザックが、「俺にはここしか行くところが無いんだ!」と号泣するシーンが泣けます。そして、数か月の試練を乗り越えた時、卒業するザックに対して鬼軍曹が、「少尉殿!」と敬礼をするのです。感動!しょぼんあせる

こんなの、映画の中だけと思いきや、実際の士官学校では同じ光景が毎年見られるのです。

13年前の話ですが、防衛大学校を卒業した私は航空自衛隊に任官し、奈良にある幹部候補生学校に入校しました。(防衛大学校を卒業して直ぐに幹部になって部隊配属されるわけではなく、幹部候補生学校において約半年の訓練を受けた後に、部隊に配属されます。)そこで、我々を待ち受けていたのがY曹長こと我が区隊の鬼軍曹です。容赦のない激と時折みせる愛情、Y曹長は我々にとって親父のような存在でした。
候補生学校を巣立って行く我々一人一人に敬礼をし、頑張れと手を握ってくれたY曹長。一昨年に定年退官されたという話を風の噂で聞いていましたが、長いこと疎遠になっていました。

さて、ここからが今日の活動報告。本日は日本武道館で行われた「第54回全日本銃剣道優勝大会」にご挨拶に参りました。銃剣道は自衛官のお家芸でもあり、会場の9割は現役自衛官とOBです。トーナメント表を眺めていると、後ろから「コラ!宇都、お前連絡がないやないか!」と懐かしい声がビックリマーク

振りかえると、そこにはY曹長が立っているではありませんか目!!Y曹長は銃剣道の名手でもあり、本日は役員兼審判として参加しているとのこと。まさかお会いできるなんて思ってもみなかったので、再会に御縁を感じながら、近況報告をいたしました。

私が立候補予定のお話もご存じだったようで、「頑張れよ!必ず応援するし、奈良に来た時は必ず連絡よこすようにな。そして家に泊まっていけ。」と有難い言葉を頂戴しました。本当にいつまでたっても、我らが鬼軍曹!健在です。

自衛隊に限った話ではありませんが、Y曹長のような職人肌の気骨あるオヤジが、日本全体に少なくなっているように思います。私は、9年間という短い自衛隊生活でしたが、先輩幹部自衛官に育てられたというよりも、このような気骨ある准尉・曹長などに教わったことの方が多かったように思います。

Y曹長をはじめとしてお世話になった皆様に、これからが恩をお返しする時だと思っています。制服は脱ぎましたが、教えていただいた様々なことを土台にして、現場の汗と思いを政界に届けます!
$ことら大尉のハート録!