4/13の防衛関連ニュースです。

防衛省統合幕僚監部は13日午前、中国海軍のキロ級潜水艦2隻、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦2隻など計10隻が10日夜、沖縄本島の西南西約140キロの公海を東シナ海から太平洋に向けて通過したことを発表した。近年、これほど大規模な活動はまれだという。
 防衛省によると、中国人民解放軍の機関紙が、中国海軍「東海艦隊」による東シナ海での大規模な合同訓練の実施を発表していた。7日から9日まで東シナ海中部海域で艦載ヘリコプターの飛行訓練などを行ったことを確認。沖縄本島と宮古島の間を通過後は、沖縄南方海域で11日、補給艦による洋上補給が実施された。
 また、8日には警戒・監視にあたった海上自衛隊護衛艦「すずなみ」に艦載ヘリが約90メートルまで接近した。
 北沢俊美防衛相は13日午前の記者会見で「公海だが、今までになかった事態だ。詳細な分析をし、わが国に対する意図があるのかないのかを含め、調査したい」と語った。(MSN産経ニュース)


中国の軍事的プレゼンスが大きくなっています。
兵器の近代化、軍事費の増大も懸念されますが、最も大きな変化は、中国が大陸国家から海洋国家への変貌を遂げつつあるということです。
中国の軍隊は、国家の正規軍ではありません。人民解放軍という中国共産党の軍隊で、その主力は歩兵部隊を中心とした陸上戦力でした。しかし、近年その重点が、航空戦力さらには海上戦力にシフトされてきています。これは、中国が、海外に対しても覇権的意志を明確に持つ様になったことを表しています。

このような日本周辺の極端な軍事バランスの変化は、東アジアの平和と安全にとって極めて重大な歪みを生じさせます。しかも、沖縄の米軍基地問題を巡り日米の関係がギクシャクしている現状において、中国のこの行動がどのようなメッセージを持っているのか…
「東シナ海の安全を実効支配する能力を持つのは、中国海軍である!」という示唆でしょうか?

資源のない海洋国家日本にとって、シーレーンは国家存続の生命線です。日本ももっと、能力ベースに基づいた海上戦力の強化に努める必要があります。