大阪市内で開かれた練習艦隊の激励会に参加して来ました。
主賓は、今年の3月に海上自衛隊候補生学校(江田島)を卒業したばかりの、若い船乗りたちです。これから国内航海を経て世界一周の遠洋航海に出発し、実地にて航法技術を習得すると同時に、各国の海軍基地に立寄り、軍人同志の草の根交流を深めに出発します。
後輩たちのキビキビとした動き、ハツラツとした表情や話しぶりに、「日本の海の守りは頼んだぞグッド!」と頼もしく思いました。

$ことら大尉のハート録!

海上自衛隊イカリマークによる海外任務は、年々重要度を増してきています。それは日本が海洋国家であり、また中東にエネルギーの大部分を依存していることからも、海上防衛力が欠かせないのは当然のことであると言えます。しかし、今年1月に、海上自衛隊によるインド洋における給油活動は終了されました。何故終了しなければならなかったかという理由は、政府からはハッキリと示されませんでした。私たちは、インド洋の給油活動が何故実施されることになったかということを、もう一度認識する必要があります。

1990年に始まった湾岸戦争で、支援を要請された日本は、総額約130億ドル(≒約1.3兆円)目という巨額の資金を支出しました。しかし、この金銭的支援は国際社会から全く評価されませんでした。「このままではマズイ」と考えた日本は、湾岸戦争終結後に掃海艇を派遣し、「マインスイープ(機雷除去)」によって、なんとか体裁を保ったのです。この時の教訓から、「共に汗をかこうとしない国家は、決して信頼を得られない」という教訓を得たのです。

2004年9月11日、アメリカにおいて同時多発テロが置きました。この自爆テロの攻撃により、ワールドトレードセンターで亡くなった犠牲者は2749名にものぼりました。軍事活動とは全く無関係な善良な市民が、イスラム過激派の手により突如として命を奪われたのです。このとき、3番目に犠牲者を出した国が日本だったということを忘れてはなりません。24名の邦人が、テロの犠牲になったのです。

この無差別テロ撲滅のために行われている活動が、インド洋における監視任務です。麻薬や武器を不正に輸出入する船ドクロを海上で拿捕し、テロ組織にお金が流れないように未然に伏せぐのです。
日本も3番目の被害国として、この活動に対して「給油支援」という形で参加することにしました。この給油活動は8年間で700億円の予算(70~80億円/年)です。活動は、米英パキスタンなどの艦艇に合計989回、約51万キロリットルの給油を実施しました。補給艦を持っている海軍は少なく、また、燃料補給の際は同速航行をしなければならず、迅速かつ安全に補給することが求められます。日本の補給活動は、海外から高い評価を得ていたのが事実なのです。

一方、現政府案では、海上自衛隊の行う給油支援に代わって民間活動による支援をするとのこと。そのための予算額は、年間400億円で10年継続するとのことです。

年間80億の予算で各国の信頼を得た給油活動を辞めて、年間400億円の民間活動支援をするんです。湾岸戦争の教訓を忘れたのでしょうか?「日本は危険な任務からは逃げて、共に汗をかこうとしない!」という批判が高まれば、国際社会における日本の地位はガタ落ちとなり、自ら進んで平和を構築しようとしない日本に、国連常任理事国の声など上がるよしもありません。

日本の安全保障の根幹が揺らいでいます叫び