本日は鹿児島からの発信です。九州・沖縄ブロック防衛議員連盟総会が鹿児島県霧島市において行われるというので、参加してまいりました。
参加にはひと悶着あり、一度は「超党派で行う会ですので、今回は参加をご遠慮下さい」という打診をもらいましたが、「超党派であればこそ、自民党だから参加できないなんておかしいんじゃないですか?」ということで、別ルートでアタック。なんとか会への参加に漕ぎ着けられました。

当初は、「紹介+スピーチ」が予定されていたのですが、毎度のことで何処からともなく圧力がかかり、結局は紹介のみということになりました。そのやり取りの中で、さる現役の先輩から「自衛官は政治的活動を制限されているのは知ってるでしょう?政治的中立であるべき自衛官がいる席で選挙の話はまずいんだよね…」と釘を刺されました。

私も現役の皆様に迷惑をかけるつもりは毛頭ないので、その場は「十分に配慮いたします」とご返事申し上げたのですが、何かおかしくないでしょうか?

そもそも、「政治的活動」ってなんでしょう

多くの自衛官は、自衛隊施行規則によって定められている「服務の宣誓」の文中の「政治的活動に関与せず」という一文を過大に解釈しているのではないでしょうか。あたかも隊員が政治に関することの全てを放棄させられているように思い込んでいたり、あるいは、良くわからないことから「触らぬ神に祟りなし」と政治への関心を意図的に遠ざけたりと、ともすれば「政治的思考」さえも停止させていた面が少なからずあるように思います。
しかし、このことは、極めて善良かつ優秀な社会構成員である自衛隊員が(実際にそうです)、その家族も含め政治に対しての関心を失い(ノンポリ化し)、一般大衆化していくことを意味します。政治にかかわらずに生きていける国民などありませんし、ましてや国防に携わる自衛隊員が、自分たちの任務に直接影響を及ぼす「政治」に対して無関心であるというのは、これは大きな問題です。
この「自衛隊員の政治離れ」は、国家にとって大きな損失であると同時に、ある意味、国家(政府)による教えざるの罪ではないでしょうか。
この「政治的活動の制限」条項の法元は何処にあるのかといえば、「国家公務員法 第102条(政治的行為の制限)」に求めることができます。(以下URL参照)
http://www.phc-japan.net/other/jinjiin.html

この法文を租借しますと、国家公務員の以下のような行為は、違法行為ではないことが解ります。
① 個人として特定の候補者、あるいは政党を支持すること。
② 個人として特定の候補者の後援会組織、あるいは特定の政治団体に所属すること。(主要ポストを除く)
③ 自己の意志を持って、政治的目的を有する会合や勉強会に参加すること。
④ 自己の意志を持って、特定の候補者や政党に寄付行為を行うこと。
⑤ 自分の支持する候補者を、他人に紹介すること。(支持を強要しない)


逆に言えば、政治的権力や組織の影響力を利用して、特定の候補者の活動を妨げる行為こそ、政治的活動の制限に抵触するのではないでしょうか。

自衛隊の組織として、政治的に中立であるというのは、パブリックサーバントとして当然です。しかし、個々の隊員としては、自衛官である前に国民であるはずです。国民であるのならば主権者としての責務を果たさねばなりません。ただ、投票行動をすればよいというのではなく、政治的視野を持ち、自らの国家の未来を考え、理想的な社会を構築するために明確な意思を持って、その実現に努力する責務があるはずです。

今日はとても寂しい一日でした。