緑の星
都心のオフィスビルから眺める炎暑の街は緑の星のSFのように現実感がないが、都心の大気を漉し通って差し込む夏の陽は、常に汚塵の色を帯びる。
オフィスの眼下にも立派な木立が広がっていて、そんな陽に照らされた木の葉はどこが黄ばんで緑の匂いを発することもなく、まるで息を潜めて厳しい環境に耐えているように見える。 猛暑に、よどんだ空気に、コンクリートと向き合うことに。。。
都内は意外に緑が多く快適なのではという感想を持つ人もいるが、当の緑たちにしてみれば、根本近くまでアスファルトに固められ、コンクリートの構造物に囲われ、排ガスや廃熱のよどむ地の底で汲々として何とか生きているというのに、人間はいい気なものだ。
籠の鳥が自由な空に憧れることがあるとしたら、、人の都合でコンクリートのすき間に植え付けられた樹木もまた、公害の広い大地を思うことがあるかもしれない。もちろん、人もまた多くはごく限られた環境で働いては何とか露命をつないでいくものではあるのだけれど。
もし町中の樹に共感と感謝をもって眺めることがあれば、また街の景色も違って見えてくることだろう。
