水びたしの光景
先日まで騒然としたニュースが流れていたが、本来タイとは人も社会ものんびりとしたリズムに刻まれたところだ。ある時タイを旅したとき、洪水に遭った。とはいってもこの地では洪水も激流に人家がのみこまれるようなものではなく、ゆるゆると水かさを増した川がゆるゆると町や田畑にあふれだし、少しばかり上昇した水面がゆるゆると広がっていくだけである。人は店先に申し訳程度の土嚢を積み、ズボンの裾をちょっとまくってサンダルばきで洪水の中を悠々と歩いていく。ただ一方で靴とスーツ姿で困惑している者がいるといつもそれは日本人だった。
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近所の公園が先日の冬の雨で水浸しになった。へそ曲がりの私は誰もいない公園を散歩していたのだが、冷たい水にひたった冬の公園にもかかわらず、人のいない景色の中に南国タイの光景が見えた気がした。
