救世主を探せ
皆さんはあのF博士をご存知だろうか?実はF博士が失踪してから二ヶ月がたった。
F博士は人類の未来を救う画期的な発明に取り組んでいたのだが、ある事情により身の危険を察して一時身を隠しているのだと言われている。
現代の救世主ともなるべきF博士の発明とは、新しい人体常在菌である。大腸菌とかビフィズス菌だの乳酸菌のようなものだろうか。ともかくこの新たに開発された腸内に定着する有用菌の働きにより、人は元来の排泄物をさらに吸収再利用可能な栄養物に生まれ変わらせることが可能になる。
この結果、人間は飯やステーキを食って、クリームパテやテリーヌの糞をし、同時にバイオエタノールの小便をするようになるのである。エネルギー危機も食糧危機も当面はるか未来に先送りされることは間違いない。
博士はこのクリームパテ状の可食性排泄物のことを「天国のマナ」と呼んでいたが、
ここでついでに言っておくと「マナ」とは、モーゼの主導によりエジプトを脱出した後、
長い放浪を余儀なくされたユダヤの民が露命をつなぎとめることを可能にしたという
荒野で拾得できた食物の呼び名である。
マナのことをユダヤ人たちは天国からの贈り物と考えたが、実際のところこれは甘みを帯びた虫の排泄物だったそうだから、博士も絶妙なネーミングをしたとはいえる。
また新しい人体常在菌の方は「イクソダス菌」というのだが、これはモーゼの出エジプト、すなわちイクソダス (EXODUS)=(いい糞出す)に引っ掛けたという説もあったが、きっとこれは単なるおやじギャグだろう。
ともあれこの発明により、 人類に課せられた食料とエネルギーの制約が緩むのはもちろん、食料供給地図やエネルギー勢力図が劇的に変わることは間違いないのだが、同時にF博士は経済的利権を失うことに強い危機感を抱いた産油国と穀物メジャーに狙われることとなった。
このためF博士は身を隠さざるを得なくなったのだが、日本の相模大野あたりでサラリーマンの格好をしているらしいので見つけた人は力になってやってほしい。
だって、なんといっても彼は未来の救世主なんだから。。。