ものぐさなワタクシの面倒な日常
今日の雨は強弱を繰り返しながら終日降り続いていたのだが、正午ごろでも暗い雨の中、仕事で外に出かけていた私がオフィス街の街路樹の下を歩いていると、Y女史と一緒になった。Y女史は会社の同僚ではあるが都内の離れた別のオフィスにいて、会うのは夏以来だ。
Y女史も昼食がまだだというので、オフィスに戻って食事を取るつもりだった私も予定を変更して、二人で都心のホテルにあるイタリア料理のリストランテに入った。
Y女史も昼食がまだだというので、オフィスに戻って食事を取るつもりだった私も予定を変更して、二人で都心のホテルにあるイタリア料理のリストランテに入った。
この日は秋の雨降りにもかかわらず気温も高く蒸し暑く、私は席に着くとすぐにスーツの上着を脱いで腕まくりをしたのだが、Y女史もスーツの上着を脱ぐとその下はノースリーブのカットソーで、日の射さない暗い空模様とスーツのダークグレーとのコントラストをなす二の腕の白さがまぶしく目を刺した。
「さすが準備がいい。10月も後半だというのに、今日の蒸し暑さににあわせた
服装だな」
「さすが準備がいい。10月も後半だというのに、今日の蒸し暑さににあわせた
服装だな」
「あら、あなたにつけられたあざが消えたから、やっと今頃ノースリーブも
着れるようになったのよ」
着れるようになったのよ」
思わずコップの水を吹き出しそうになったが、
ここで誤解のないように言っておくと、前回酔っ払って足元のおぼつかない
Y女史を抱えた時に腕に押しあざができたということを言っているのである。
これはメールで聞いていたが私は見ていない。
Y女史を抱えた時に腕に押しあざができたということを言っているのである。
これはメールで聞いていたが私は見ていない。
「オレを悪者みたいに言うわけ?」
「そう、すごく悪いやつ、いつも」
「それで、悪人の私に罪滅ぼしの機会は?」
「ふふ、じつはこんどねえ・・・」
「それで、悪人の私に罪滅ぼしの機会は?」
「ふふ、じつはこんどねえ・・・」
こうしてまた今度飲みに行く約束をしてしまったのだが、
この場合誘ったのは自信家のY女史かお調子者の私かどちらなのだろうか?
この場合誘ったのは自信家のY女史かお調子者の私かどちらなのだろうか?
*
ついでに言うと私は一見簡単には取っつきにくい印象をもたれるらしい。一方で
どうも基本的に自分に自信家の女ほど積極的な仕掛けを打つ傾向にあるようだ。
そしてそんな女は自信家なだけにたいてい美人で頭もいいような気がする。
どうも基本的に自分に自信家の女ほど積極的な仕掛けを打つ傾向にあるようだ。
そしてそんな女は自信家なだけにたいてい美人で頭もいいような気がする。
その結果私は世間の一部で誤解を受けることになるのだが、
実際のところ相手が美人であろうと無かろうと
私は面倒な事はごめんであり、何より私自身の静穏な生活が大事であるので
決して深入りはしない。
決して深入りはしない。
するとまたこうした態度の結果、一部の女が近づいて、基本的にまめな私は
適度のサービスを働いてしまい、また誤解を招き・・・
適度のサービスを働いてしまい、また誤解を招き・・・
誤解を受けるような日常も非常に煩わしいものだが、
何事もバランス、中庸を得ることがほどほどに毎日を飽きないものに
してくれているのかもしれない。だがこのように達観してきたようでは、もうわたしの淡くも賑やかな日常も長くないのかもしれない。
するとお望みの静穏ももうすぐそこなのだろう。