人類の新しい習慣           (タバコやめますか人間やめますか) | 酒とホラの日々。

人類の新しい習慣           (タバコやめますか人間やめますか)


今年もあっという間に夏が過ぎ、時節は長月、セプテンバー。

9月で思い出すのははるか離れたカリブの小島、小さな陸地に似合わず名前は大きく、グレート・セプテンバー島と人は呼ぶ。当地はいわゆるバナナ・リパブリックというやつで、すなわち一次産品の輸出以外に産業は皆無と言っていい田舎の島である。

ただその特産品はタバコが有名だ。同じカリブの島、キューバ特産のハバナなどは高級葉巻として有名だから、この流れをくむものかもしれないと勝手に合点する人がいてもまあ不思議はないのかもしれない。実はR氏もまた、そんな勘違い人間だった。

R氏、先日勤め先の係累企業である近隣の現地法人に出張した折、名産タバコを目当てにセプテンバー島に立ち寄ったのである。もちろん費用は会社の出張費を私的な旅行に流用したのだからこれはネコババ、業務上横領というヤツに引っかかるのかもしれないのだが、
もちろんR氏はいまどき喫煙などと言う不潔な嗜好にしがみつくだらしないタバコ吸いであるので、まったく気に留める風はなかった。

意気揚々とグレートセプテンバー島に乗りこんだR氏だったが、目論見が外れたことにいやでもすぐに気づかざるを得なかった。グレートセプテンバー島ではタバコは口にくわえてふがふがと呼吸するものではなかった。現地の人々は火のついたタバコを肛門に差し込み、放屁でタバコもろとも紫煙を優美に吹き上げるのである。
 
タバコを口にくわえるのは、不道徳かつ不謹慎な行為であり、名産品に対する侮辱とされて、見つかれば最大5年の禁固刑となる可能性があるばかりか、タバコをくわえた犯人にはその場でリンチを加えても良いことになっている。 
そんなわけで、どうあってもニコチンの断てないR氏は立派な肛門タバコ喫煙者となって帰ってきたのだった。だがこれも慣れると腸壁からダイレクトに沁み込むニコチン
こたえられない快楽らしい。 そんなR氏は今や、迫害される喫煙者が生き延びるには、いやでも閉鎖空間で喫する必要のある肛門タバコを広めるしかないと説く、ケツタバコの伝道師として活躍している。 

 
ではさて、今や時代に置き去りにされようとしているタバコ吸い諸君は禁煙する道をとるだろうか、それとも肛門タバコ吸いとして生きていく道をとるのだろうか?