初秋 休日の昼と夜
近隣の果樹農地を通りかかると、こんもりと山のように盛り上がった栗の樹に
まるまると育ったイガがたわわになっているのが目にとまった。
もっとも、イガはどれもまだ真っ青で、
日中まだ30度を超えるような強い日射しをも
はち切れそうな葉と実ではね返すいまだ生育途上の
きかん気な子供のような勢いがあって、秋の気配などなどまだどこ吹く風情だ。
蝉の声も吹きぬける風も行き交う人も、まだまだ夏の強さと忙しさがある。
ところが日が落ちると空気は一転して、
あたりの気ぜわしさはすっかり落ち着いて虫の音だけが響き、
中秋の月が明るく照らす栗山は昼の勢いはどこへやら
もうすっかりおとなしく静まりかえっているのだった。

