雨、明日は晴れますか | 酒とホラの日々。

雨、明日は晴れますか

雨3


夏の終わりには季節の入れ替わりを告げる長い雨が降る。

八月の下旬に入って、毎日雨雲の様子をうかがう今年はこれがいつもより顕著な気がする。


今朝も洗濯物を干している最中に雷が鳴り始め、やがて暗くなった空から大粒の雨が落ちてきて、もともと雨の多い日本では晴れ空の貴重なことがあらためて身にしみる毎日だ。
 
それでも私は雨が嫌いではないし雨降りの外出も好きなほうだ。
もっとも晴天の重宝されるこの国ではこうして雨が好きだと言ってしまうのには少々気の引けるところもあるのだが、世の中には思いのほか雨好きも多いものだ。


江戸時代には花見や月見と同じように『雨見』という行事催しだってあったらしいが、これも雨好きの観点からすればもっともなことだ。雨と言っても何でも良いわけではない。多すぎず、少なすぎず、荒ぶれず、まっすぐにまとまって長く降るような雨が良かったのだろう。

これはどうも良い雨が降りそうだとなると、雨好きの旦那衆たちが屋形船を仕立てて水の都の江戸市中の川を遊行し、静かに雨煙に沈む岸の樹影や町並みの情緒を楽しんでいたのである。

  

私が雨の中を散行するのだって規模も程度も違うけれども、雨をも積極的に楽しもうとする江戸の雨見の系譜に連なっていると言えないこともない。


この雨の国では空模様はいつも晴ればかりではないどころか、時期によってはむしろ希少で大切なものとなるから、雨を厭うばかりではとても前向きに暮らしてはいけないともいえるのかもしれない。


雨降り、曇り、時々晴れてはまた曇り、雨、雨、曇りのち晴れ。。。
空ばかりでなく人の世もまた晴ればかりではないのだ・・・。