日射しのきつい田舎道や、真昼の路地裏を眺めてぶらぶら歩くのもまた、
夏の散歩には格好の興趣を提供してくれる。
何でそんな炎天行軍のような真似をするのかと言われることもあるけれど、
空調の効いた屋内に閉じこもるよりも動いている方が体が楽なことだってある。
長時間の同じ姿勢が心身の変調をもたらしたりするように、
そもそも基本的に人間はじっとしているようにはできていない。
熱射にさらされる商店街の路地で、風鈴の音の先に目をやると、
白地に鮮やかな氷の文字が揺れていた。
ひたすら耐暑でこわばっていた体も思わず緩み、
熱風にさえ、涼味を感じる、夏の一瞬。