根性なしのためのワークライフバランスをとるという生き方 | 酒とホラの日々。

根性なしのためのワークライフバランスをとるという生き方

春分の日の今日は雨。窓から外の木立を眺めると、無数に重なった裸の枝がほのかに春の色を帯びて、もやったように見えるのはだいぶ木の芽がふくらんできたせいだ。これからは気温も上がり一雨ごとに新芽が吹き出して、静かな冬のたたずまいを見せていた木立もあっという間に柔らかな葉をまとうようになるのだろう。 
春への変化は、心浮き立つ期待と焦燥にも似た居心地の悪さが同居するが、きっとこの時節の様々なイベントが、人に社会の変化への迎合圧力を連想させるためかもしれない。とにかく現代の変化は速くこの先の事は誰にも予想はつかないが、常に変化を強いられる中でどうにかこうにか自らが生き延びるすべを模索してじたばたとあたふたと、人が日々を過ごしてきたのは今に始まったことではない。
 
ただ、現代は先の見えない中で先に希望を持つ以前に、最低限の下支えも無くなるような不安が大きく、しかも出口を探すことは各人が個人的なリスクを負ってやるべき自己責任問題に帰されてしまっていることが、社会の閉塞感を大きくしている。さらに、世の中で働いて食っていかねばならない身としては、変化に順応しないといつか世の中から取り残され、気がつけば自分だけがババを引く事になるのではないかという恐怖があるから、人は人、世間は世間とばかりは言っていられない。
  
とはいえ、会社の単純な価値観の中で仕事に自己実現の意義を見いだせる人は希だし、仕事に人生のすべてを掛けて私生活を犠牲すれば会社が様々な面倒をみてくれるという時代はとっくに終わっている。結局、きわだった能力もなければ根性も覚悟もない凡下の輩としては、世の中につかず離れず、仕事は生活のための必要悪として労働対価に見合った分だけ働いて、個人的な生活と社会的な生活のバランスをとることに腐心することになるのだろうか。。。
 

そんなもやもやもあって、先週から「ワークライフバランス」という観点で、凝り固まった観念をチェックし、自分の蒙に気づくため主に若向けと思われると思われる本を読んでみた

 

『3年で辞めた若者はどこに行ったのか』  城 繁幸 / 筑摩新書
陳腐化した旧来の価値観にとらわれずに自分のとるべき道を示唆するケース紹介多数。会社、組織外活動、成功者ケースばかりでなく、非常に幅広い。

 

『スタディ・ハックス』(Study Hucks!)   小山 龍介 /東洋経済新聞社
社会人にとって日進月歩のIT時代にはIT時代の勉強法や道具がある。勉強という内向き作業の決まり切った型を見直すための参考として定期的にこんな本も見る必要がある。
 
『格差社会の世渡り』    中野 雅至 / ソフトバンク新書

労働力が企業に都合の良い商品となってしまった今となっては、企業組織は人生を託すところではなく、徹底的に利用すべきところである。

 

『日本を降りる若者たち』  下川 裕治 / 講談社現代新書
日本社会で生きづらく、海外に脱出してドヤ街のようなところで引きこもる、「外こもり」の若者たち。

 

『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』  福澤 徹三 / 幻冬舎新書
職場で働くときはなりたい自分を演じること

  

『公務員クビ!論 』  中野 雅至 / 朝日新書
年功序列と終身保障が最後まで生き残る?お役所の組織体制が解体される過程は、今後日本社会が健全な労働市場を形成し働き手が企業と対等な権利を手にするための要となるかもしれない。

 

『人生を半分降りる』  中島 義道  / 新潮社OH!文庫
会社や世の中の多数派にあわせて生きることに違和感を感じる人に向けて書かれた、社会に着かず離れずしっかり自分の居場所を確保して生きるための人生の指南書。


・・・蒙は晴れないけれど、ちょっとは参考になったかも。