自由の戦士に黙礼   チェ・ゲバラ没後40年 | 酒とホラの日々。

自由の戦士に黙礼   チェ・ゲバラ没後40年

1961年にスイスのジュネーブで国際開発貿易会議が開かれたときのこと、一人の学生がキューバの代表に会いに行った。会ったのはその宿泊先のホテルである。キューバからやってきた代表者の工業大臣に学生は、自分もキューバ革命に参加するため連れて行ってくれと熱願する。するとキューバからやってきた代表は学生の手を引いてレマン湖を見晴らすバルコニーに連れて行くと、湖岸に立ち並ぶ世界的に有名な製薬会社のバイエルや食品会社のネスレなどの大企業群の輝くネオンを指し示してこう言った。

「君はスイスに残って、この怪物たちと闘うのだ」

学生は後にジュネーブ大学の教授となり、スイスの大企業や市場主義経済の不正を暴露し糾弾し、国連人権委員会でも活躍するジャン・ジクレール氏。そして彼に諭したキューバの代表の工業相とは、あのチェ・ゲバラである。

 

グローバリズムという経済利益の市場主義と価値観の単一化、人間の排除主義は巨大企業によってくまなく世界に伝道され、私たちを飲み込んできたが、実際のところ、 時代の渦中にあって世の中の活動に流される私たち人間には、なにが起きているのか、なにが本当の問題なのかわからないのかも知れない。だが、チェ・ゲバラには当時にあって、私たちの今いる現代に及ぶ病根までを見通すことができたようだ。私を含め、さよでもアカでもない人間でも先のエピソードには揺さぶられるものがあることだろう。


いうまでもなく第三世界において英雄でありまた、若さというエネルギーを、理想のために費やす人間はかくも純粋になれるのかという事を体現してみせたチェは、その思想や行動をよく知らない人間をも今もって引きつけるカリスマである。不正と抑圧から人々を解放する理想のために闘い、望んだとおりにその戦いの中に果ててから今日はちょうど40年になる。 

  

エル・チェ