晩秋から冬へ・・・
晩秋の道を歩くと、
べそかいた後のようなくしゃくしゃに乱れた暗灰の空から
ひやりと冷たい空気が降りてきた。
11月の静寂は10月の静けさよりも深く冷たいが、
中秋には確かにあった音も賑やかさも、草木に引き込まれて
内へ地中へと取り込まれてしまったようだ。
申しわけ程度に渋茶色の葉をまとった木々も、
やがて枝も幹も裸に形をあらわにする日もすぐだ。
ケヤキやエノキの背の高い木立を抜けたところで
パラパラと雨が落ちてきたのだが、
このところ天気予報の降水確率とは無関係によく雨に出会う。
そこで仕方なく雨を避けようと足を早めると、
その先の道をサザンカの花びらが一面に赤く染めていた。
時節は山茶花梅雨、時雨れ空の季節だ。
花びらに降りかかる時雨の道を抜けると
雲間から弱々しい晩秋の日が差し込んできたのだが、
乾いた冷たい風が通り抜ける冬はもう目の前だ。
