家庭防災訓練の『実施報告』
近頃ひょっとして当局はすでに天変地異の確定情報をつかんでいるのだろうか?
混乱を避けるため発表はしないがそれとなく下準備を進めるように当局の誘導があるのかもしれないと、勘ぐりたくもなるほど災害対策関連産業は活況を呈しているようだ。
災害対策グッズやマニュアル本、都市勤務者への帰宅支援体制の整備など、官民挙げての取り組みの強化もよく目に付く。
そんな中、うちの会社でも防災用品の配布があったので、まず、非常食を食ってみた。 平常時に食ってしまってどうするのだ!?、という話もあろうが、食ってみなければ非常時に本当に食えるかどうかも分からないではないか。
しかも非常食は輸入物である。
第一次世界大戦の時など、戦地にならなかった日本などはどさくさにまぎれて欧州へ物資の輸出をして儲けたのだが、何を送っても売れるので、しまいには水や砂利をつめた缶詰も輸出したというくらいなのだから、非常食などといっても油断するわけにいかないのだ。
ところが、レンガのようなアメリカ版カンパンのようなモノは予想外に甘く旨かった。この味に少々勇気付けられて、私も生来の面倒くさがりの重い腰を上げ、我が家の災害対策グッズの整備に取り掛かってみる気になったのである。
スーパーのコーナーを覗いて見ると、私が無関心で無知だっただけかもしれないが、非常食も今はバラエティーに富んでいて、おでんだの、ふかふかの柔らかいパンの缶詰だの、従来のカンパンだけの非常食とは隔世の感がある。
本当にバラエティーに富む非常食の数々だが、これもやはり一通り試食は必要であろう。万一のときにもなれない食事がのどを通らないというのは問題だし・・・
そこで急遽、非常時対応模擬食事訓練を実施することになったわけだが、備えあれば憂い無し、われながら見事な心がけといわざるを得ない。
缶詰のおでんも、パックの五目飯もなかなかいける。
さらに、雪山の遭難などではブランデーが必須だそうだから、そうなると酒も必要だと気がついた。
これも訓練が必要だ。当然試飲してみる。
すると非常食だけではもの足らず、冷蔵庫から肴も出すことになってしまった。 それでは災害訓練にならないではないかって? いやいやなんの、災害時には電気が止まれば冷蔵庫のものだって腐ってしまうから、真っ先に食ってしまわなければならないだろう。 すると、これも災害対策訓練のうちである。
買い込んである備蓄の酒だって、持ってあちこち避難するわけには行かないのだから現地で消化は訓練のうちである。
こうして災害を想定した模擬訓練を通じて非常時に何が必要か知ることができたので訓練は大成功であった。
訓練を通して得られた教訓 「非常時に必要なもの、それは二日酔いの薬である。」