完璧害虫撲滅法     (ホラーファイル№008) | 酒とホラの日々。

完璧害虫撲滅法     (ホラーファイル№008)

沈黙の春  『沈黙の春』 レイチェル・カールソン / 新潮文庫 


農薬の害についてはここでいまさらいうまでもないが、
害虫駆除の名目の元、害の無い虫ばかりか小動物の生息地を奪い生態系を狂わし、
最近ではうつ病の原因とまで疑われている。


日本で鬱による自殺率が多いのは地方の農業県だったりするのが有名だが、

都市型のストレスの多い都会ならともかく
なぜ農業県に?というのは素朴な疑問である。
それが農業県ゆえの農薬散布量の多さと自殺率が比例しているというのは
不気味な推測だ。

だが農薬を使わず、害虫を駆除する方法は、ある。
実は限られた害虫のみを効率的に駆除する完璧な装置が完成しているのだ。

だが、いくつかの事情があって実用化されていない。

もちろん農薬産業はお関係官庁の利権であるから、
既得権益を手放さない役人がこれを認可するわけは無い。
役人というのは国が滅びても既得権益を手放さないというのは
先の大戦の顛末をみればわかるとおりだ。

だが、害虫駆除装置の実用試験を行ったところ、

周囲に集められた虫から害虫のみが始末され、

益虫や無害な虫はまったく影響なく試験は大成功だったのだが、

ただひとつの問題は、

この試験に立ち会った農林水産省と労働厚生省の数名の官僚が
跡形もなく消えてしまっていたことだった。

害虫だけを分別・駆除する完璧な装置だが、これは予想外の性能だった。

立ち会った人間は他にもいるし、害虫だけが完璧にいなくなったはずなのに

どうしたわけか木っ端役人ども関係省庁の官僚たちも

害虫とともにまた消滅してしまっていたのだ。

結局、消えた官僚の行方も原因も消滅の事実さえも発表されなく、

「あの装置は正しく作動した! まさに世の中の甘い汁を吸う害虫だけが消えたのだ!」

という研究者の主張も省みられることはなかった。


こうして完璧な害虫駆除装置が日の目を見ることは無くお蔵入りとなったのは
日本の国益を思うと、本当に残念なことだ。

こうしてまだこれからも害虫がはびこるのであろうか。