ある冬の日の夕暮れ | 酒とホラの日々。

ある冬の日の夕暮れ

冬の夕方

晴れた冬の日には、夕闇が迫ってくる空を眺めるのが好きだ。

冬は時間に伴う空の変化が早いので、

日が落ちるにつれてあたりの景色はどんどん色彩を失っていって、
やがて樹木も家も、黒曜石のような澄んだ闇の中に浸されて

闇色の階調だけですべてが描かれるモノトーンの世界に入っていく。

この時、唯一色のついた活動物として自分だけが取り残されたような
感覚は、ぞくぞくするほどの孤独と似ている。


社会的な営みにあって毎日を流される私たちは
誤解しがちなことではあるが、
孤独とは常にネガティブなものではない。

孤独においてのみ、私たちは世事のわずらいを脱して
社会の単なる使用価値ではなくなり、
全宇宙と対話する契機を得ることができる、ともいえる。



掃き出しの窓から外に出ると、地の際に薄明を残した同じ空に
金星と火星がかかっているのが見えた。

遠い星の光だが
このときばかりは孤独界から

元の世界へ戻る合図のような気がした、冬の日の夕暮れ。


うー寒い、寒いのは当然飲む口実になる。