変わり果てた恩師と面会する | 酒とホラの日々。

変わり果てた恩師と面会する

実は先週の土曜、山梨の山中に
恩師のM先生の面会に行ってきました。


M先生は3年前に、まだ元気な内にと、ご自身の身体を全て売却され
そのお金で、あの”ホーム・ラピュタ”に入っておられます。

主要な臓器はリサイクル(臓器移植供与)され、残りの身体はスライスされて
人体模型になっていますが、昨年の「人体の驚異展」にも出品されていたそうですので
ご覧になった方もいらっしゃることでしょう。


”ホーム・ラピュタ”では最後に残った
脳に栄養ポンプと快楽物質ポンプ・及び電極をつないで
長い寿命(脳の耐用年数が尽きるまで)まで果てしなき思索と快楽のうちに
安全に毎日を過ごすことができるのです。


私が面会に来たことは電気刺激により先生の脳へ伝えられ、
先生のお言葉は脳からの電気信号を合成音声に変換されて出てくるのですが、
まだ現在の技術では言語レベルにまで変換は困難なので
ピュー・ピー、と言う音声を、「脳媒士」と呼ばれる専門職員の方が
仲介をしてくださいます。


 私 「先生、お久しぶりです、captain-jackです。」
 先生「ピー、キュルルル
 
脳媒「・・・おお、会えてうれしいぞ。元気にしておったか。」




 私 「おかげさまで、何とかやっております。先生は何か不自由はございませんか?」
 先生「ピヨー、キュー、ピピピピ
 
脳媒「・・・快適そのものじゃ。酒はうまいし、ネイチャンはきれいだ・・・。」



こんな調子で会話は続いたのですが、先生は本当に快適そうで、最後は、
一般庶民がホームラピュタを利用し、「社会運営に真に必要な人」だけに臓器提供をすれば
人類に平和と安心がやってくるという演説で、その日の話は締めくくられました。


帰りがけには、ホームラピュタの臓器提供のパンフをたくさんもらってきました。
「脳内幸福システム産業 脳は人なり、体は部品」とか良いことがたくさん書いてあります。


ただ、「私も脳媒士になりたいのですが」と言いかけたら、ものすごい勢いで追い出された
気がするのですが、どうしたのでしょうね。


車に乗って遠ざかるホームは、なんだかショッカーの要塞みたいにかっこよくて、
またいつか、先生に会いに行くのが楽しみです。