チュウハイです。
アコギネタがなくなり、何となく色々と考えてましたら、
「包括的なギター史みたいなものをよく知らんな」
と。特にエレキギターの興りみたいな部分が分かってるようで分かってない。
ということで、まずはエレキに関して、メーカーを横断した形での年表を作ってみました。
細かい。。。
戦前戦後(↑では前半と後半としています)でちょっと流れが違うというか、戦時中はギターの進化が止まっているように見えるため、前後半としてみました。
前半は1930年台~39年(ナチスのポーランド侵攻)あたりまで。
意外なことに、メーカーとしてはリッケンバッカーが最も先行して「エレキギター」を発売したようです(知らんかった)。
と言っても、フライパンと呼ばれるラップスティールギターが、当時流行っていたハワイアンミュージック向けに発売されたのが、世界で最初のエレキギター(と言われる)。
ネック・ボディはアルミ、スロテッドヘッド、でギター的ではあるものの、所謂エレキギターでは有りませんね。
が、まあ基本的なシステムとしては出来上がってはいるかと思います。
これが1932年のことです。
同社が続いて発売したElectro Spanishというギターが、エレキというかフルアコに近いです。
フルアコにマグネティックピックアップ、アームを搭載していてビザール感があります。
これも基本的な構造は出来てますね。
で、ソリッドボディで横に持って構える、より「エレキギター」的なものも同社が初めて製品化していて、Electro-Spnish model Bというモデル。
今のエレキギターに一番近い戦前のギターですね。
ただ、ボディもネックもベークライト製で、今のギターとは地続きでは有りませんし、あまり人気がなかったとか。
というように、戦前はリッケンバッカーが他社に先んじて色々とエレキを発売しました。
それに続いて1936年、Gibsonが初のフルアコES-150を発売。
14Fジョイント、フロントピックアップ、エボニーブリッジ、で現在に続くフルアコのスペックはここで確定します。
品番の「ES」てのはElectric Spanishの略で、150は150ドルという当時の販売価格だそう。
リッケンにしてもギブソンにしても、イチイチ「Spanish」と銘打つわけですが、
クラギ文脈のスパニッシュギターとは関係有りません。
当時は、ラップスティールギターと区別するために、ボディを横に持って構えるギターをSpanishと呼んでいたらしく、エレキのスパニッシュ=ESなのですな(これも知らんかった)。
これ以前に、シングルカッタウェイ+6連ペグのエレキギターをポール・ビグスビーがオーダー製作していて、そのギターをレオは目にしていたようです。
影響受けてそうよねぇ。
また、「ジョージ・フラートンがテレキャスターのシェイプの大部分をデザインした」といった話もあります(真偽不明)。
いずれにしても、レオだけのアイデアでこういう形のエレキが出来上がったわけではないようです。
当時は色んな人が独自の開発をしていて、その情報を共有したり協働したりてのが盛んで、「初期のエレキは、当時の皆で作った」みたいなところが有りそうです。
The Log(パイン材ボディをフルアコボディで挟む)を作ったレス・ポール氏もレオと交流がありましたし。
とかとか、細かいことを調べると沢山のエピソードがあります。
誰がどのアイデアを最初に思いついたか、みたいな話はかなり込み入ったことになりそうです。
まあ、ザックリとしたエレキの興りの話としてはこんなところにしといた方が良さそうです。
では。