チュウハイです。
前回書きました
「アコギの音は細くていい」
これが、数年かけて色々なDIYと実験を繰り返して辿り着いた陳腐な結論。
今回はその細さに焦点を当ててみます。
私が所有する駄コギの中で、音が細くてブログに載せられるかたち形を保ってるのがこれ。
モーリスのM-1003ltdです。
もう何年も弾いてなく、具体的にどんな音だったか思い出せません。
が、弾いたときの反応の悪さ、やたらと1弦の音が細かった記憶があります。
詳細には分析してなかったです。
まず、5年前の録音を聴いてみよう。
あら?
録音は思ったほど悪くない(良くもない)。
この音から判る箱の状態は次の通り。
●バック・箱によるローの増幅は普通程度に機能している。
それなりに低音出てるし、ボワッと拡がってもいない。少なくとも、バックは鳴らし過ぎでも鳴らな過ぎでもない。
●トップ材の共振が感じられない。
1弦の音が針金が振動しているだけの音で、細い。トップ材の共振による基音の増幅が掛かっておらず、極端な弦鳴り状態になっている。
「アコギの音は細くていい」
のだが、この細さこそが駄目な細さというやつです。
単に鉄弦が振動している音を出すなら、トップが木材である意味ないんですな。
1弦(300、400Hz帯)の音にトップ材の適度な共振音が加えられると、アコギなりの細く太い音になります。
ここで当然疑問になるのは、
「なんでこのトップ、鳴らないんだろうね?」と。
材料自体がダメならしょーがないんですが、
いつも通り、叩いてギターとしての特性を見てみます。
いや、このトップは鳴るね。
鳴る筈、ね。
チューンにチグハグさはあるものの、共振点が明確で少なくとも針金の音を出すような状態ではないです。
このトップなら、共振・太さがもっと感じられていい。
なのに針金サウンドが鳴る。
となると、「鳴らし方」に問題が有りそうです。
要は力学的な問題、テンション設計。
どう見ても、これが問題有りそうよなー。
ペラペラな純正ブリッジは高さが7.5mmしか有りません。ふつーは9mm付近。
ということは、ネックアングルもこれに合わせて浅くなっているわけです。
ということは、木部を振動させる力が弱いテンション設計になっている、ということです(途中の話は省いた)。
これはつまり、ギターの設計としてそもそも「かなり弦鳴り」に振ってある状態なのですね。
にも関わらず、トップ設計はレスポンシブを意識していないフツーな作り。
そりゃ、フツーのテンションかけなきゃ鳴らんでしょうよ、と。
ということで、こういうギターを改善するなら、テンション設計を変える必要があります。
ネックリセットとブリッジの交換。
これらを行えば、もっといい感じのギターになる。
それは間違いないですが、
めんどくさすぎるよねぇ。。。。。。。。
駄コギは駄コギのまま放置ではあるものの、こういう理解が進むということは、
一応私自身は前進しているのでしょうね。
では。