チュウハイです。

 

 

 

「ネック材はホンジュラスマホガニー」

 

そう聞くと、ギター好きほど「良きもの」と捉えるよう訓練されてますね。

 

どーなんでしょね?

 

 

 

ということで、ネックに使えるホンマホの板材を仕入れました。

 

 
 
 
右側の柾目部分をネックに使う予定です。
 
 
 

 

もちろん、今どき「ホンマホのネック材」なんか売ってません。25mm厚ほどの板です。

 

ヘッド側はスカーフジョイント、根元は4枚重ねてネックの形状にする必要があります。
 
 
 
またわざわざ面倒なことを…
 
なのですが、ホンマホネックで1Pネックを作るなんて、あまりに不経済かつ意味がありません。
 
こうやって作れば木材の原価が1/10に出来るし、ちゃんと作れば「1Pネックだから良い」なんてこともないのですな。
 
 
 
それでだ。
 
「ホンジュラス」いうても、
 
今回の板はスリランカ産です。原産地証明書もあります。
 
 
 
なので、ホンマホと言うより、スリランカ産のビックリーフマホガニーと呼ぶのが正しいです。
 
 
これが偽物って話ではなくて。
 
調べた限り、ビッグリーフマホガニー(俗称:ホンジュラスマホガニー)は1950年代からアジア地域での植林が行われています。
 
ですので、流通している「ホンジュラスマホガニー」は必ずしもホンジュラスや南米産ではありませんよ、というのがそもそもの前提みたいなもんです。
 
 
 
今回の原産地証明によると日本への輸出が2014年。
 
伐採されてから10年近く経過してます。よきよき。
 
例によって実測で比重計算しときます。
 
 
 
重量1392g/体積(14.7×2.45×63.4cm)㎤≒0.61
 
 
一般に言われる気乾比重0.66より小さい…
 
よくよく乾燥している材なのだ!
 
と都合よく解釈しておきますw
 
 
 
アフリカンマホガニー(カヤ)のネック材と叩き比べてみます。最初に叩くのがアフリカン。
 
 
 
サイズ違いでそのまま比較は出来んですが。
 
割と似た印象を持たれるかと。
 
 
一番耳に飛び込みやすい2倍音の音程がかなり近い位置ですからねぇ。
 
アフリカン
 
ホンジュラス
 
 
それは偶然ですが、倍音の組成がかなり似ています。
 
ほほぅ。
 
 
 
ただ、似ている中にもやはり違いは有って、
 
厚みが小さい(剛性が低い)ホンマホの方が4kHz以上が良く鳴り、よりパキパキとした硬質感があります。
 
厚み含め、材のサイズを合わせた場合、ホンマホの方が基音も倍音もアフリカンマホより高い位置に分布する筈です。
 
ほほぅ。
 
 
 
所謂マホガニー的な特性、かつ剛性の高いホンマホ。
 
マホガニーではなく少しふわっとするが、全体的にはマホガニーによく似たカヤ。
 
この2者の比較から見れば、どちらも納得です。
 
そして、確かにホンマホはギター材として良きモノのように思われます。
 
 
 
 
とはいえ、昨今はメーカー製のそれなりの価格のギターでも、ホンマホはおろかアフリカンマホガニーも使われていないっぽいですよねぇ。
 
Taylorのネック材はTropical Mahogany、MartinはSelected hardwood。
 
なんじゃそりゃ?と思うものの。
 
これは供給面から仕方なく、な面もあろうと思いますが、「ネック材はホンマホじゃなくて事足りる」ということを示唆している気もします。
 
マホガニー的な感じがあって、それなりに剛性が高ければなんでもいいんじゃね?と。
 
知らんけど。
 
 

 

まあ折角手元に来たのだ。

 

命に感謝して有難く使おうではないか。
 
 
 
…「命に感謝」なんて言い草、大っ嫌いなんだがw
 
 
 
 
では。