チュウハイです。

 

 

(この記事は少し前に予約投稿したものです。公開するつもりではなかったのですが、書いたことを忘れていて、投稿されてしまいました。せっかくなのでそのまま載せときますが、コメ欄は閉じます。Y・Mさん、すみませんm(__)m)




 

何もやらずに今年を終えるのもアレだな、と。

 

久々のDIYネタで、久々の癖にめんどくさい話をば。

 

 
バックを仮接着しました。
 

 

 

 

仮です。剥がします。

 

確認したいことがあり。

 

 

 

アコギってのは箱にする前後で、トップの特性が変わります。

 

 

 

というより、形になったギターの各部材には、完全に独立した特性は有りませんで。

 

トップ・サイド・バックが相互に影響し合って、それぞれが個別のときとは違う特性を有していると考えられます。

 

 

 

箱にしてみて、その相互作用のとこを確認しようという話です。

 

 

 

バック接着前後の、トップを叩いたスペクトルが以下になります。

 

バック接着前

 

バック接着後

 

 

 

重ねてみましょうかね。

 

 

 

似た部分もありますが、全体的にはそーとー違いますね。

 

 

部材の相互作用による周波数変化もあるのですが、それぞれの部材が別の共振周波数を持つのが分かります。

 

 
 
ザックリ言えば、
 
ロー(5弦6弦)は箱で増幅
ミドル(3弦4弦)はトップとバックで増幅
ハイ(1弦2弦)はトップで増幅
 
てな具合で周波数帯により担当部材が違うのですな。
 
 

 

若干の余談でした。

 

 

 

事前に、「箱にしたらトップの特性がどう変わるか?」の想定をしておきました。

 

 

 

テキトーってわけではなく、あるルシアーが公開していたデータに基づいた想定です。

 

 

実際にバック接着してどう変わったか。

 

 

 

うーむ。

 

f2を中心に、想定と結構ズレがありますな。

 

 

まあ、条件が違うのでルシアーのデータと同じになる訳もないのですが。

 

多分、大量に着けたサイドブレースなんかも影響するので、材料や設計により変化の仕方が異なるのでしょう。

 

 

 

 

ただ、想定と現実のズレそのものは別に問題無いです。

 

そういうもの。

 

 

そして、そのズレ=「想定とのギャップ」は全体的に歓迎すべきものです。

 

想定より上がり過ぎなかったり、より下がったり、下がり過ぎなかったり。

 

結果的には、想定よりも動いて欲しい方向へ動いてくれてるんですよね。

 

 

 

では、バック接着の結果を受け、ブリッジ接着後の想定を見直します。

 

 

 

お、悪くないよ。

 

「約20gのブリッジを接着して、この通りになれば」

 

という条件付きですが。

 

 

 

何が悪くないのか。

 
想定値が理想値に結構近いんですよ。
 

 

 

想定値(↑青字)は、理想値(↑赤字)より少し高めではあります。

 

が、かなりいい線行ってます。

 

しつこいですが、想定通りに動けばの話ですけど。

 

 

 

 

より深く潜りましょう。

 

そも、チュウハイの理想値てのは何なのでしょうか。

 

 

源流の話をしますと、

 

アコギは、こんな変なものを作ってトップと弦の共振をコントロールします。

 

 

 

 

それが楽器としてのチューニングです。

 

では「チューニング」とは?

 

 

実のところ、その中身の多くが「1弦のローポジを如何に鳴らすか」の問題です。

 

勿論、それだけではないにしても、

 

アコギトップにおける最初の勝負は、

 

「適切な共振周波数設定を行い、1弦ローポジをムラなく太く鳴らすことが出来るか。」

 

なのであります。理論的にはね。

 

 

 

そこを考えるには、周波数とフレットポジションとの関係を把握する必要があります。

 

 

 

レギュラーチューニングだと、1弦ローフレットは330Hz~450Hzくらいの範囲です。

 

120Hz幅の中に6つくらいの音階が含まれているのですな。

 

 

「1弦ローポジをムラなく太く鳴らす」

 

この言葉を私なりに解釈すると、

 

「0F、3F、5Fポジションあたりの音を、それぞれ太く鳴らす」

 

てな感じ。

 

 

言い換えると、

 

330Hz、392Hz、440Hzあたりに鳴るポイントを設定する、ということです。

 

 

 

例えば「ムラなく鳴らす」の解釈が「0F、1F、3Fあたりを太く鳴らす」だと、

 

太く鳴る範囲が狭く、5F付近の音が細く後ろに行ってしまいます。 

 

解釈として恐らく間違いなのですね。

 

 

1弦ローポジってのは、アコギの中でもかなりセンシティブな音域で、こういう共振周波数設定の違いが、明らかに音に出ます。

 

 

ローポジ全体をカバーするために、2~3フレットおき(0F、3F、5F→330Hz、392Hz、440Hz)に3つの鳴るポイントを設定したいのですな。
 
実際、「良いギター」と私が感じるアコギには330Hz付近に共振周波数が設定されていることが多いです。

 

 

 

ということで、この理想値が出てきます。

 

 

 

 

 

 

てな感じで、トップのボイシング、アコギとしてのチューニングの最終段階を詰めていく予定です。

 

バック剥がして接着しなおしだし、実作業をいつやるかは謎なんですけど。

 

 

音作りの観点から見ると、過去イチで今回は上手く進んでいる気がします。

 

どーなるか楽しみではあります。

 

 

 

では。