チュウハイです。

 

 

 

今週はボヤ~っといろいろ考えてました。

 

どうやって作るべきか。

 

 

製作途中みたいなものを描いてみたりして。

 

 

 

 

 

ふ~む、大元を思い出して考えよう。

 

 

 

トップとバックの働きについて。

 

 

 

 

両者は素材も構造も違うため、違う音響特性を持ちます。

 

また、

 

振動のメカニズムが違うってのもあります。
 
 
 

メカニズムを図示すればこういう感じですな。

 

 

 

 

トップは、弦振動の直接入力により励振される。

 

バックは、音波やサイドからの振動により間接的に励振される。

 

 

 

それゆえ、トップの方が大きく振動し、バックはトップほど大きくは振動しない。

 

(なので、トップがギターの特性を決定する)

 

(なので、バックは味付け的位置づけとなる)

 

 

 

 

 

トップとバックがどう関わるかを考えたとき、

 

バックの

 

①音の反射

②モノそれ自体の振動

 

を見る必要があります。

 

 

 

トップで発生した振動・音波をバックが跳ね返すわけですが。

 

 

 

 

音波をそのままに跳ね返すのではなく、

 

バックの素材・構造に由来する「特性」に従ってブーストカットしつつ跳ね返します。

 

また、バックそのものの共振により、トップとは違った「ギターとして鳴る音域」が生じる。

 

 

 

それゆえ、バック材の樹種・構造によって音の違いが出てくる。

 

 

 

 

てことですな。

 

 

 

分かりにくいか…?

 

 

 

 

具体的に。

 

 

 

秋製作で使うクラギの箱の特性。

 

例えば200Hz帯に着目すると。

 

トップ単体のスペクトル

 

バック単体のスペクトル

 

箱としてのスペクトル

 

 

 

 

箱としての特性には、トップとバックの共振が表れてますね。

 

他の帯域でも同じようなことが観測出来ます。

 

トップの鳴り、バックによる反射とそれ自体の鳴りを合成したものが、箱の特性になっています。

 

 

 

 

ここまでは、理論的な基礎の確認。

 

実際に重要なのはここから。

 

 

 

 

バックの共振である247Hzはちょこっと出てるだけです。

 

 
 
 
バックは間接励振のため、振動が小さい。
 
だから、そうなるのは仕方ない部分があります。
 
 
 
にしてもだ。
 
 
ギターのボイシングとして見ると、トップに対して「バックの振動が小さすぎる」と思われます。
 
帯域バランスが悪いんですな。
 
より具体的に言えば、3弦があまり鳴らない状態になっています。
 
 
 
ということから、このバックはオーバービルトな状態(強く作り過ぎている)であろうと。
 
 
 
改善する(3弦が鳴るようにする)には、
 
ブレース or and 板厚を削って、バック振動をより大きく出すのが正解。多分。
 
247Hzってのもバックの共振周波数としてはちょっと高すぎます、せめて220Hzくらいまで落とした方が良い。
 
 
 
ということです。
 
長ったらしい話ですが、ようやく製作のレベルまで話が落ちましたねぇ。
 
 
 
さらに言うと、
 
この247Hzに該当するバックの鳴りは、3弦の鳴りだけでなく、低域の鳴りにも大きく影響します。
 
 
低域にとって重要なのは、この3つの共振。
 
 
 
 
低音の組成と構造の関係を言葉にすると、
 
 
箱の共振で最も低い基音(80~100Hzあたり)を鳴らし、
 
トップの共振(180Hzあたり)で2倍音付近
 
バックの共振(200~240Hzあたり)でより広い2倍音~3倍音付近
 
をそれぞれカバーして「低音」を作るのですな。
 
 
 
てことで、バックの鳴りは低音そのものにも、3弦あたりの鳴りにも関わってきます。
 
製作は、両方を考えつつなんだな。
 
 
恐らく、この3つの共振を完全な倍音関係(80、160、240Hzのような)に設定しない方がいいんだな。
 
そこらへんの話は、またいずれ。
 
 
 
今回はちと、言語化がイマイチな気がします。。。
 
 

 

 

では。