チュウハイです。

 

 

 

先日来、自分で作る前提でスパニッシュギターについて調べています。

 

スペイン式工法で作ったものが必ずしもフラメンコギターでは無さそうなので、ここでは敢えて[「スパニッシュギター」と書いときます。

 

 

 

アコギから見ると色々と特殊なところが有ります。

 

「スパニッシュならでは」の部分をご紹介しときます。

 

 

 

 

スパニッシュギター構造を作る際、肝になる治具がこれ。

 

 

 

Soleraと呼ばれる製作基板ですね。

 

 

 

「Solera」は、恐らく「基礎」のような意味合いで、

 

ギターの表面である、トップのドーミングとネックアングルを規定するプレートです。

 

 

 

 

 
アコギからすると、ソレラに合わせて作るトップのドーミングがまた特殊です。

 

 

 

 

↑ロワーバウトからサウンドホールのみが凹んでますね。

 

ショルダーは平面。

 


ラディアスディッシュで全面にドーミングをかけるアコギとは全く違いますな。

 

 

 

 

 

イメージ図を見ると、ソレラのドーミングの位置と具合が分かります。

 

 

 

 

 

さらに、この図のネックアングルを見てみると、角度の記載が有りません。

 

その代わり、先端側でトップ面より2mm逆反った位置にネックが来るよう指定されています。

 

 

 

というように、

 

 

スパニッシュギターのネックは

 

そもそも「アングル何度」で考えられてる訳じゃないのですね。

 

 

ナット位置でネックがトップ面より0mm~3.0mm逆反った状態にする。
 
てのがスパニッシュギターのネックの考え方・作り方のようです。
 
 
 
ちなみに、普通のアコギならネックはナット位置でトップ面より9mmほど逆反っています。
 
結構違いますよね。
 
 
 

 

そんな感じでソレラとモールドを使い、

 

http://g-makingclass.seesaa.net/article/286735267.html 

 

 

トップとネックの接着→サイドの接着→バック接着

 

の順に進めて箱が出来上がり、最後に指板接着となります。

 

 

 

 

ネックジョイントだけでなく、全体的に工法と構造が違うのですね。

 

てことを踏まえ、アコギとしてどう作るか、が私の問題。

 

 
 
 
では自分が作る場合。
 
 
1.5°アングルのスパニッシュヒールをCADで描いてみると、どーも辻褄が合わない部分があるというか。
 
 
 
 
トップとサイドの接着に無理が生じます。
 
 
程度の差はあれど、本家スパニッシュギターでも同じような問題がある筈なのですが、
 
木工でどうにかしてるのか、接着時に上手いこと圧力をかけてるのか、そのへんは皆さん見せてくれません。
 
 
辻褄合わせを見せないのはアコギの製作家と一緒…なのか?
 
 
 
 
もうひとつ。

 

トップを接着した後に、ライニングブロックを1つずつ着けていくのがスパニッシュの工法です(めんどくさー)。

 

 

 

 

メイキング動画では、ライニングブロックのここ↓が90°だ、と。

 

 

 

 

…なんでそーなる?

 

 

ギターの断面で見てみましょう。

 

ドーミング無しのフラットトップならば、サイドとトップは90°で接着されます。

 

 

 

 

 

当然ながら、トップにドーミングがかかっていれば、接着面は90°になりませんね。

 

 

 

 

ライニングブロックの接着面も、90°で良いはずがないんですがそれは…

 

 
 
謎である。
 
自分でやるなら工夫のしどころである。
 
 
辻褄が合うように自分でいろいろ考えなきゃなー、というのが現状です。
 
 
 
 

忘れてましたが、国内有名どころでは杉田健司氏がスパニッシュヒールジョイントです。

 

ソレラを使われてますね。

 

 

 

 

 

国内若手ルシアーにもスパニッシュヒールの人がいると推察しています(造りから判断して)。

 

手工系では、思っているより採用されているようです。

 

 

ネックが元起きする可能性が限りなくゼロに近い。

 

てのはやはり大きいようです。

 

 

 

関係ないですが、 Alexandr Miskoの新しいギター。

 

 

 

演奏もそうなんだが、、、、凄まじいですわw

 

ここまで行くと気持ちがいいですな。

 

 

 

では。