チュウハイです。

 




相変わらず、テンション関係の気色悪い話です。



 

現在のストリングリテイナーの位置。

 

 

 


かなりヘッドの先端寄りですね。

 

1弦2弦のテンションをかなり小さく設定している、ということです。

 

 

 

妙なことをやると副作用も発生するもので。

 

この位置だと、↓の部分で要らぬ共振が発生します。

 

 

 

 

生音で、ここをミュートしたときとしないときの音はこんな感じ。

 

 

 

分かりますね?

 

ミュートしてないと、音が散ってしまうような鳴り方で、特定の倍音がかなり耳障り。

 

 

 

折角なのでスペクトルで見てみましょう。

 

ミュートしてないとき

 

ミュート時

 

 

 

 

結構全体的に違います。

 

が、音が散ってしまう感じ、てのはスペクトルでは説明しにくいです。

 

 

 

スペクトルとの兼ね合いで説明できるのは、耳障りな倍音。

 

私の耳だと↓囲ったところがかなり気になります。

 

ミュートしてないとき

 

ミュート時

 

 

 

この山は大体2.3kHzの音で、基音に対する7倍音にあたります。

 

 

 

「7倍音」だの「2.3kHz」と言われてもどういう音なのか、想像しにくいと思います。

 

この周波数のみをかなりブーストして聴いてみれば分かりますね。

 

 

 

 

基音から分離するほど大きな音で鳴る倍音は、基音の音程感を邪魔します。

 

単音を弾いているのに、本来鳴るべきでない和音が鳴ってしまい、音程が見えにくくなるわけです。

 

また、意図しない音が鳴っているわけで、耳障りなのですね。

 
 

多くのギターで、こういう非音楽的な倍音が存在します。


残念ながら、音の質を下げる方向で働いています。

 

 

 

 

とはいえ、エレキの話なのです。

 

ここまでは生音なのです。

 

 

そもそも、この部分の鳴りをピックアップが直接拾うことは有りませんね。

 

 

 

 

なのですけども。

 

音に関係ないかと言えば関係大ありなのです。

 

 

上の動画の、ライン録音を聴いてみましょう。

 

 

 

 

突出した2.3kHzは聴こえませんが、

 

鳴りが散ってしまう感じ。

 

出てますよね。

 

 

ミュートすると輪郭が出てきますし、和音の中でミュートしてないと、1弦の音が明らかに後ろに行きます。

 

 

 

折角なのでこちらもスペクトルを見てみましょう。

 

ミュートしてないとき

 

ミュート時

 

 

 

 

正直なところ、違いは有りますが「ここが悪い」と言える場所は見つかりません。

 

 

 

にも関わらず、聞いた感じはミュートしないと音が後ろに行ってしまう。

 

 

 

恐らく、これはスペクトルでは説明できない部分というか、スペクトルに表れない部分の違いです。

 
スペクトルで音のすべては説明出来ませんので。

 

 

 

別の角度から考えると、

 

ヘッド側の共振により指板側の振動が何らかの影響を受けている。

 

 

 

 

音響特性自体はほぼ変えずに、別の影響がある。

 

そう考えられるのですな。

 

 

何らかの干渉、と言って良いのかな?

 

1弦開放音のみにリバーブをかけたようなボヤケが発生して、音の前後の定位が後ろに行ってしまう。

 

そんな感じ。

 

 

 

 

そうなのよねぇ。。。

 

テンション設定って、こういう部分でも音に関係してくるのよねぇ。

 

 

 

今回は、今まで体感的には知っていたことをわざわざ録音してスペクトルで確認してみました。

 

いろいろ厄介ですが、こういうのもまたギターの面白さです。


簡単だったら面白くないしね。


 

 

次は、弦を裏通しせずに、トップローディングで張ってボディ側テンションを最小にしてみましょう。



 

 

アコギで言う、スルーブリッジですな。

 

結果の予想はある程度出来ますけども、ヘッド側とのバランスで良いポイントが見つかるといいなーと。

 

 

 

 

では。