チュウハイです。

 
 
(本記事では、「テンション」という言葉を「張力」や「手で感じる弦の強さ」「弦がナットなどを押し付ける力」の総称で使います)
 
 
 
フェンダー系ギターのナット側テンションと音の関係を解説しときます。
 
 
 
 
 
なぜナット側なのか?と言えば、
 
サドル側テンションではトーンそのものはあまり変わりません(変わりはするよ)。
 
 
 
 
なんでそうなのかは知りません。
 
不思議です。
 
 
 
以下に書くことは、「私が」「自作テレキャスター」で確認した、という特殊環境のことです。
 
全てそうなる、と思いこまないように。
 
 
 
(じゃあ何の役に立つの?)
 
 
ね。
 
 
 
 
結論的には、
 
★ハイテンション→基音と超高域を前に出す
 
★ローテンション→倍音(多分5倍音あたりまで)を前に出す
 
 
 
分かりにくいかね?
 
 
★強いテンションは、その弦の音域内でのドンシャリバランス。
 
★弱いテンションはその弦の音域内でカマボコバランス。
 
 
 
分かりにくいかね?
 
 
★強いテンションにすれば、太さと明瞭な輪郭感が得られる。
 
★弱いテンションにすれば、甘さや軽やかさや柔らかさが得られる。
 
 
 
分かりやすくすると解釈の幅が出て誤解を生むのですけど。
 
誤解を与えたのなら申し訳ないw
 
 
(もちろん、謝る気などない)
 
 
 
 
更に分かりやすくすると。
 
テンションを変えるということは、弦のゲージを変えるのとニアリーイコールなの。
 
 
 
 
ハイテンション設定にするのは、太い弦を張るのとほぼ一緒。
 
ゲージを上げるとテンション感上がって低音に迫力出て音に張りを感じて、その分軽やかさや柔らかさは減るでしょ?
 
 
 
厳密にはイコールではないのですが、そんな風に考えれば分かりやすい。
 
 
 
 
と、いうことはです。
 
フェンダーのヘッドに設置されるストリングリテイナーは、
 
 
 
 
1・2弦の弦落ちを回避するとともに、音色をドンシャリに持っていくように働いてます。
 
ソリッドな響きにしている、と言った方が分かりやすいかな。
 
それがまた良し悪しです。
 
 
 
 
また、先日来問題にしている、アングルついちゃったヘッド。
 
 
 
 
分かりますね。
 
これも、ドンシャリな雰囲気の音を作っています。
 
 
ヘッド先端に向かうに従い、設計上のテンションより強くなっていくので1弦寄りがどんどんソリッドな音になる。
 
そういうことです。
 
 
 
問題は、これが良いこともあるし悪いこともある、という。
 
好みの話も含めると、なんでも良くね?みたいなことになる。
 
 
 
でもとにかくバランスなのね。
 
ソリッドにし過ぎても柔らかくし過ぎても、エレキギターの音色・フェンダーの音色から離れます。
 
 
 
 
具体的に何が変わるか。何を良しとするかは、先日載せたドイヒー録音を例に。
 

 
 
どちらがよりフェンダーらしいか、どちらがエレキギターらしいか?
 
みたいな判断を各々がすることになります。
 
 
 
 
一般論としての結果だけ知りたい方は、ここまででOKです。
 
以降はまたヘンタイ話。
 
 
 
「バランス」の部分を少し深掘りします。
 
テンション設定は、一定の振動エネルギーをどの帯域にどう割り振るかの設定なのね(多分)。
 
 
 
上手い図が思いつかんかったけど、イメージ的にはこんなようなことで。
 
 
 
 
テンション設定を変えることで、振動成分比を変える操作が可能なわけ。
 
 
 
 
ギターによって、びみょーにネックアングルの違いも有りますし、ヘッド周りはいわずもがなアングルがかなり異なります。
 
それにより、市販ギターはテンション設定と振動成分比がめちゃバラついているってのが現実だと思われるのです。
 
 
 
ヘッドが逆反っちゃてるギターの1弦は、こういう感じになってる筈。
 
 
 
だからダメなのか?
 
と言われれば、単純にそうではありません。
 
 
 
それが良ければ良いのです。
 
 
 

が、私のテレキャスターのように1弦の音に甘さがなく超高域がキツイ場合はローテンションに振る。

 

そういうことが出来ます。

 

 

破綻したバランスで売っているギターは少ないと思いますが、イマイチなバランスになってしまっているものはかなり在ると思いますので。

 

 

 

 

 
で、さらに一歩深みに足を踏み入れてみましょう。
 
この見方↓は、私が観察している限り、事実です。
 
 

 

 

比率を変えられるのは良い。
 
それはディテールの話。
 
 
 
ディテール以前の、振動全体のことを考えてみると。
 
 
これと
 
 
これの違いが有ります。
 
 
 
ローズ指板とメイプル指板。
 
指板により音が違うのは、多くの人が何となく合意しているところです。
 
 
 
弦の振動は木に伝わってしまうし、木は鳴ってしまう。
 
弦振動は、木部や部材によるイコライジングを受けています。
 
(純粋な弦のみの振動は理論空間にしか存在しない)
 
 
 
つまるところ、テンション云々でこういう操作をする以前の土台として、
 
 
 
 
材料の違い、ギターとしての音響特性の違いが弦に反映されています。
 
完全に同じ作りのギターでも、弦振動の全体像及びディテールが各々違うんですな。
 
 

 

おまけに、樹種だけでなく、個体差が大きいのが木材ですからね。

 

 

 
完全に同じ作り、同じ種類の木材で作っても同じ音にならないのがギターね。
 
悲惨なケースだと、テンション以前にこういうバランスが決まっちゃってる場合も。
 
 
 
これくらいのイメージのギターは普通にあるぞ。
 
 
一昨年?頼まれてネック折れを直したレスポールカスタムは、もろにこれ。
 
 
 
 
直したはいいけど、とにかく音が酷い。
 
オーナーも音が悪いから直すかどうか悩んでたのです。
 
直して返却した後、調子を聞いたら
 
「音が酷いな」と仰ってましたw
 
 
正常なアングル設定でとにかく音が細くボヤボヤしてる、みたいのは設計レベルの話じゃないし、木部にしか原因が考えられません。
 
 
 
 
 
余談でした。
 
もろもろ踏まえ、
 
適したテンション設定は、全てのギターで異なる。スイートスポットが違う。
 
 
 
そう言えそうです。
 
 
微細な違いは私も問題にしませんし、大括りで良いと思えりゃヘンタイも弄りません。
 
ギターとして良し悪しが出てしまう程度に音に関係してしまっているのが、特にフェンダー系のテンション設定と思います。
 
 

 

 
実は、さらにもう一歩踏み込んだ世界も存在します。
 
そこは私が解決・消化できていないので今は伏せておきましょう。
 
時が来たら…
 
 
 
 
なーんてね。
 
長々と書いておいて、全て妄想だったら、
 
私は完全にヤベー奴ですw
 
 
でも、現象に基づいた説明と思考をしただけなのでね。
 
ヤベー奴にはなっていないと思います。
 
 
 
 
 
では。