チュウハイです。
 
 
 
何だかんだとありましたが、トップのボイシング研究に入ります。
 

 

まずはとりあえず、でいくつか整形します。
 

 

 

 

 

 
 
 
こんな状態にしました。
 

 
 
削る前がこれです。
 

 

 

ノンスキャロップブレースならこれで出来上がり、なんてこともあるんでしょうか。


 
 
 
 
削る前後のスペクトルを見てみると。
 
 
 
 
 
細かい変化は多数。

重要な共振周波数の位置は変わりませんが、鳴りが強くなってる感じです。



 

 

今回確かめたのは、ブレース「端」の役割。

 

正確には、「端」ではなくブレースの「結束点(以下、ノードと称します)」と言ったほうが良いでしょう。

 

 

 

ノードは、自動的に端ではあるのですけど。

 

 

 

 

単なる「端」と言うと、棒の端っこでしか有りません。

 

ブレース・剛性の結束点という意味で「ノード」と表す方が概念としてしっくりきます。

 

 



造りとして。

 

大半のアコギの完成状態は、こうではなく。

 

 

 

 

ノード部でブレースの高さが落とされてます(弱く作られている)。

 

 

 

 

ノードは弱くしたい、強くしたくない、という作り手側の意図が感じられます。

 

 

 

何故こうするのか?

 

 

 

ノードを落とす以前の剛性を考えてみると。

 

 

 

 

同じ直線上でも、ブレースが結束する赤部が緑部よりも極端に強くなるのは想像がつきます。

 

 

 

極端に強いところがあれば、その分トップの動きも強く抑えられます。

 

 

それを避けるのが、こういう削り方で、

 

image

 

 

 

一般的なアコギトップに存在するノードはほぼ全て、弱くして必要以上にトップを固めない作りになっている、と言えます。

 

 

 

高さを抑えずに強くしておきたいノードはXブレース交点くらいです。

 

 

 

 

 

 

では、ノードを落とすと具体的にどういうことが観測できるか、と言えば。

 

 

例えばトーンバーであれば、ここらへんで生じる振動が顕在化しやすくなります。

 

 

 

 

端を落とすことで、中間部分が振動しやすくなるわけです。

 

 

 

いまいちメカニズムは分かりませんが、吊り橋とそのしなりを想像すると理解できる気がします。

 

 

 

 

ということで、一般的なアコギのブレースは、端が落としてある訳ですね(多分)。

 

 

 

 

 

 

ただ、

 

「ノードを弱く・端を弱く」

 

それも1つの捉え方に過ぎません。

 

 

一般的にはこうですが、

 

 

 

 

Michael Greenfieldなどの何人かの先進的ルシアーのブレースでは、伝統的なものよりかなり強いノード設計です。

 

 

 

 

こういうことされると困っちゃいますねぇ。

 

まあ、剛性の考え方や補強の考え方が違うってことでしょう。

 

 

 

 

 

そんなことも有りますので、考えが違えばノードの処理も変わる。

 

そんなものです。

 

「これだ!」という答えは、常に有りません。

 

 

 

今後の方向を考えるため、クラドニを確認してみようかと思います。
 

 

 

 

 

では。