「身震い」2012年作品
一般的な市販品の石鹸の中身が削り取られ、代わりにその削りカスが詰め込まれ、マスキングテープで荒く巻かれている本作。虚空を見つめる瞳が印象深い。
肉体を思わせるような色の石鹸の中身をえぐり出すというある種の猟奇的なエロチシズムを彷彿とさせるものの、全体的な形を保っていることから、衝動の中の冷徹な部分が垣間見える。人間に対する、ある種のアンチテーゼであろうか。
また、充分とは言えない不完全な修復痕には「臭い物には蓋」という現代社会への強烈な皮肉が込められて
おり、作者のニヒリズムが溢れている。
欲望のままに壊し、穿ち、その後に訪れた悔悟の念と、どう取り繕っても余りにも手遅れな現状。
見る者はこの「罪」の後に確実に訪れるであろう「罰」に、『身震い』するしかないのである。
孤高の彫り師・Tの処女作。
・・・という、現代アートをディスった、アートでも何でもないブログ・・・というアート。
貴重なピンク色の石鹸を使った作品が失敗して、モッタイナイの精神の具現化とも言えなくもなくもない。
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