未来世界SFミリタリーアクション陰険漫才ラブロマンス(?)「キル・ゾーン」 シリーズついに完結。
前作を読んだときに「あと1冊て話にカタがつくのか?」と心配しましたが、見事に風呂敷をたたんでくれました。あまりに展開が早過ぎるために、「もうすこしゆっくりじっくり書いてほしかったなあ」と思わないでもないですが、とにかく作者には「長いことごくろうさまでした。途中からですが発売を待ち焦がれながらリアルタイムで楽しんできました。楽しい時間をありがとうございました」と伝えたい気分です。
みんなみんなハッピーエンドとはいえないけれども、それぞれのキャラが乗り越えるべきところはちゃんと乗り越えてくれたのでよかったです。このシリーズを読むなら一作目「キル・ゾーン」から「ブルーブラッド」も含めて発刊順に。最初の方は作者もデビューしたてで正直いって下手なんですが「ブルー・ブラッド 虚無編 上」 「下」 あたりの深さは読むだけの価値があると思います。全部でシリーズ24冊あるので今から読むのはなにかと辛いですが

「パラサイト・イブ」でデビューを果たし、その後「BRAIN VALLEY 「八月の博物誌」などを発表した現役科学者の瀬名さんが書いた、現在のロボット技術についてまとめたノンフィクション。日本の未来のあり方まで見据えた本でした。かなり読み応えあり。
話題のヒューマノイドロボットだけではなく、工業用ロボットから玩具まで様々なロボットが取り上げられています。
二足歩行を実現するための技術の話だけに留まらず、どうやって制御を行うかというソフトウェアの話が重要であるという指摘は興味深いです。また「BRAIN VALLEY」に通じるテーマである人間の知性とは何かという問題もロボットに深い関わりがあること。日本人のロボット観はどうやって生まれてきたか? なんのためにヒューマノイド型ロボットが必要なのか? 将来、ロボット開発はどんな未来にむけて進んでいくべきかを第一線の多数の研究者にインタビューを行い、多角的な方向から問題を考えてゆくようになっています。
瀬名さんに問題意識があるから、これだけおもしろい本になったんでしょう。
「どんな未来になってほしいか」。今の日本ではそう言われてもイメージを明確に思い描ける人がどれだけいるのでしょうか。どんなに今頑張っても未来が今より幸せになるとは限らない。そういう閉塞感が漂ってるような気がして。個々に頑張ってる人はいるだろうけれども、それをきちんとベクトルを揃えて大きな流れにしなきゃ効率が悪いからなあ。

脱出不可能であるはずのアズカバンから囚人ブラックが脱走。恐ろしい力を持つその男はハリーの命を狙っているというが
読んでるときに「あれ?」とひっかかったことが伏線として最後にきれいにパタパタパズルにハマっていく様は見事。でもあの便利アイテムの存在は今後のストーリー上、諸刃の剣になりかねないと思うんですが。


今回は、ゆだるような暑さのじめじめした7月の午後の東京駅を舞台に、なんのゆかりもない人たちの行動がほんのちょっとした「偶然」が積み重なってどんどん大きくなってゆくという文字どおり「ドミノ倒し」のような、スピード感のあるシチュエーションコメディ。
いやあ、おもしろい!! なんの関係もなかったようなことがどんどん繋がっていく様は、見事。構成が決してうまいとは言えなかった恩田さんですが、こういう作品も書けるんだ。こういうのができるのだったら、「上と外」の終わり方も期待できそう。
個性的すぎるキャラや細かいエピソードの作り込みはこれだけで終わらせるのがもったいないくらい。
とにかく、これは一気読みすべし。ちまちまと読むと話がわかりにくくなるかもしれないので、まとめて時間がとれる時にノンストップで読んでください。
これ、2時間ドラマか、映画にでもしてくれたらすごく楽しいだろうなあ。
ただし、この作品はあの「青いすりガラスの向こうの世界を覗きこむような」恩田陸特有の空気とは縁遠い作品です。恩田陸にはそちらを求めてる人は、無理して読む必要はないと思います。
恩田陸をまだ読んだことのない人は、「光の帝国 常野物語」 から読むのをオススメ。もしくは「三月は深き紅の淵を」 が文庫本化したばかりなので、それから読むのもいいかも。

市兵衛は息子の嫁・おぬいを実家に戻すことにした。妻を亡くし、息子の芳太郎も川に落ちて水死した後、嫁と舅だけになり、口さがないある種の噂が流れ始めたためである。
おぬいを実家に戻すに当たっては百両を渡した。これで当座困ることはないだろうという市兵衛の配慮である。
だが、一年近くたって、おぬいが両国の水茶屋に出ていることを知った。市兵衛は思いがけないことを聞いた気分だった。

熊蔵が酔っているときに、母子が身投げをしようとしている場面に遭遇する。熊蔵はそれを助け、有り金を渡すが、この助けられた母子は熊蔵の後をくっついて、熊蔵の家に居座ってしまった。
熊蔵はその悪人面を利用して、賭場で借金をした人間の取立を行っている。その熊蔵が母子に付きまとわれ、右往左往することになってしまった。
 

お弓を探している浅次郎は、ある時お弓に似た武家の妻を知る。その妻は人にはばかられることをして金を稼いでいたが、哀れに思った浅次郎は、その妻を助けるため、夫の塚本伊織にあることを手伝わせる。
それは賭場のいかさまを暴いて、賭場から金をふんだくるというものだった。その企みはうまくいき、金をふんだくることに成功する。
そして、塚本伊織の妻女も人にはばかるようなことをしなくて済むはずだった
 

造酒蔵はおふくが奉公に出されるところを眺めていた。幼いながらにおふくが出される奉公先がどんなところか分かっていた。明石屋という男に体を売る店である。
数年経ち、かざり職人になった造酒蔵は明石屋の前に立っていた。なけなしの金を借りておふくに会いに来たのだ。だが、結局おふくには会えなかった。
造酒蔵は金がないとおふくに会えないことが分かり、宗左の子分になった。宗左は恐喝でくっている男である。その宗左の手伝いをしている中で、造酒蔵はおなみと知合った。
 

馬五郎はほおずき長屋と呼ばれる裏店の嫌われ者である。最近では臆面もなく若い娘を引っぱり込むような傍若無人な振る舞いに出る馬五郎に、裏店の住人は触らぬ神に祟りなしと決め込んでいる。
昔から乱暴者だったわけではない。女房と別れた67年前からである。夫婦の娘が、女房の目を離したすきに川に落ちて死んでしまったのである。
女房と別れ、馬五郎はお角という女を気に入っていた。最近ではお角が一緒に暮らしても良いといっている。だが、馬五郎にお金があるのを分かると、お角は金を持って逃げた。
 

市蔵は博奕の壺振りとしてなかなかの腕をもっている。ある朝の帰路、危なっかしい歩き方をしている少女と出会う。病気で長いこと寝ていたので、歩く練習をしているというのだ。市蔵には、その少女の姿がとてもまぶしく映った。少女とは時折会うようになった。そして、言葉もかわすようになった。
その市蔵が、凄腕の壺振りの小梅の伊八を紹介された。伊八からいかさま賽の使い方を学ばないかというのだ。