「暴力映画は撮らない」と宣言してしまった映画監督、キタノ・タケシは次に撮る映画について悩んでいた。これまで12本撮ったが、ヒットしたのはたったの1本。ヒット作を世に送り出そうと、今まで作った事のないタイプの作品に片っ端からチャレンジしてみた。小津安二郎風、昭和30年代、泣ける恋愛、ハリウッドのリメイクを期待したホラー…。しかし、どの映画も完成前にことごとく失敗。開き直った監督の頭に、閃いたものは…。
“世界のキタノ”こと北野武監督の13作目は、あらゆるジャンルの作品を全て盛り込んだ、笑いと衝撃のエンターテイメト作品。映画監督キタノ・タケシ、12作中ヒットは1本、当たる映画を作れ、と、どこかで聞いたことがあるセリフが並び、思わずニヤリ。そして、ヒット作を期待されてキタノ監督が撮る作品が、小津安二郎風作品だとか、ワイヤーアクション時代劇だとか、隕石が地球に接近してくるまでの感動ドラマだとか、これまたどこかで聞いたことがある映画がどこまでも続き、笑いは止まらない。劇中では「失敗に終わっている」が、どれも続きが観たい作品ばかりだ。改めて北野監督の才能に唸らされる。昨今の邦画ブームに一石を投じる1本だ。