白い乳房の、その頂から麓にかけ、赤い水脈が流れていた―― 日舞紅真会の発表会楽屋で、師範の田嶋紅真が絞殺された。襦袢と唇と、首を絞めた紐。死体を赤く彩られた紅真の周辺では、男女の愛憎が激しく錯綜していた。さらに、真相を追う作家探偵霞田志郎を嘲笑うかのように、活躍中の弟子紅里が酷似した状況で殺される。誰が、なぜ死体の女たちを「紅」で飾るのか? そして伝説の名探偵で警察OB"男爵"こと桐原が捜査に介入する目的は何か?