新橋にある水木法律事務所に、つきつめた表情の若い女が現れた。女は、12年前冤罪の汚名のまま獄死した父の無念を晴らしたいと、懇願した。正義感に燃える少壮弁護士水木は,話を聞くうちに次第に事件へと関心が向いていく。12年前の年末、雑踏の街新宿で殺人事件が起きた。ツリー爆弾、ピース缶爆弾事件で世の中が騒然とする中、それはマスコミ報道の陰に隠れている小さな事件だった。水木は当時の関係者をたぐり真相を掘り起こそうとするのだが、時の風化作用を受け、予想以上に困難な調査となった。信念に燃える若き法曹が歪んだ社会の中に打ちひしがれる人の群を相手に、犯罪の病巣をつき人間の真実をつきとめていく。