太田 俊夫 二重条痕京都の鞍馬山で火祭りを眺めながら、華僑の張才しは、戦時中、大陸で日本軍に焼き殺されかけた少年時代に思いをはせた。小才のきく彼は、タイに逃れ、豊満なタイ娘スリナーと結ばれる。そこで、謎の男・洪培煙と手を組み、戦後混乱期の日本に乗り込んで巨利を得た。だが張才は、洪こと実は元日本兵の赤座がヘロインにまで手を伸ばし、妻のスリナーとも通じていたと知って、彼の追放を謀る。そのころ、赤座をつけ回していたヤクザが殺され、その死体の首には"二重条痕"が浮き出ていた・・・。