情状鑑定は精神鑑定とは異質のものであり、本来刑の量定に資するために、情状酌量に関する証拠調べの段階で行われる。――家裁調査官・立花文代は、被告人・井原信三による幼女誘拐脅迫罪を担当し、大学医学部精神科の教授・祝田卓を訪ねた。家裁調査官と精神医学者の共同鑑定を裁判所が命じることは稀にしかないが、事件の性格上被告人の生い立ちに遡って問診を行う必要があった。過去にも井原信三は放火がらみの事件で女房を焼死させ保険金詐取に失敗していて、当時は心神耗弱状態という認定だった。共同鑑定が進む過程で信三と父母・息子の精神交流に精神科医の鋭いメスが入れられてゆく。心理試験、催眠面接の場面で予想を超えた真実が露わに!!