【ワシントン】交際していた女性職員を厚遇したとされる問題で、世界銀行のウォルフォウィッツ総裁は17日、6月30日付で辞任すると表明した。世銀総裁が不祥事で任期途中に辞職するのは初めて。総裁を支持してきたブッシュ米政権も、各国からの辞任圧力の高まりにトップ交代で事態打開をはかるべきだと判断した。

 フラトー米大統領副報道官は17日夕、「ブッシュ大統領は近く後任の候補者を発表する」と述べた。発足時からの慣行に従い米国人から選出される見通しだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ゼーリック前国務副長官、キミット財務副長官らの名前が挙がっている。

 特別調査委員会は、総裁が2005年に交際中の女性職員を米国務省に出向させた際、昇進・昇給の条件について関係部局に具体的に指示したことが、内部規則に違反したと認定した。

 一方で世銀理事会は17日の声明で「組織の利益のために誠実に行動したという総裁の信念をわれわれは容認する」として、総裁が辞任の条件としていた名誉回復に応じた。これを受けて総裁も声明を出し、「世銀が仕える人々の利益のため、新指導者のもとで任務が遂行されるべきだと判断した」と述べた。

 3月末に不祥事が発覚して以来、職員や欧州など加盟国からの辞任要求が高まり、最終的に日本を除く先進各国が不支持を表明したため、辞任は不可避となっていた。

 ウォルフォウィッツ氏は2001年、ブッシュ政権1期目の国防副長官に就任。03年のイラク開戦を主導したひとり。05年3月から世銀総裁。