先週のG7の評価は、久し振りに見方が分かれていたが、個人的にはFSF(金融庁該当ページ:金融安定化フォーラム )も加えて評価すると、大変意義があったと考えている。先日の日経 によると、「国内証券大手もG7監視対象に・野村など念頭に」とも出ている。


3月のFEDのベアースターンズ救済劇を見てから、ずっと不安があった。この救済劇以降、FED幹部とも親しい方々から後日談を伺うと、FEDの幹部は二日間の徹夜でJPとベアーのディールを纏めたそうです(あの時間の発表ですから十分推察は出来ますね)。勿論、ベアーの幹部やJPの幹部も二日間以上の徹夜作業だったはずです。ベアー救済劇も、私の理解では、FEDが大手投資銀行だからと言って救済する必要は無く、FEDが大手PB(プライムブローカー)は破綻させられないとの強い意志を持っていたと考えています。つまり、PBの破綻は金融システムの破綻に繋がると判断していた。今回の金融危機は、ここさえ押さえれば最悪のメルトダウンはないはずです。ここもとの市場の正常化も、ベアー救済から始まりました(正常化は簡単ではないと思いますが)。


このベアーのディールも含め、FEDの対応のまずさへの批判も多いのですが、私の不安は、同様のケースが他国で起こった場合に当該中央銀行ならびに財務当局が、FED並の対応を取れるか?との疑念が払拭できないことです。日本の大手金融機関は、残念ながらPBビジネスを構築できませんでしたので、不安はありません(唯一、野村ならPBが出来るかもと思いましたが、事実上、無理なようでした)。また、ベアー救済の事例からも、米国での新たな大手PBの破綻は想定しなくてもいいと思いますので、残るは欧州です。


ECBは、そもそも多国籍軍ですから、ただでさえ対応が遅れます。事実、SGの対応も遅かった(時価の不明な商品でのロスでは無いですからね)と思いますし、その後の進展もありません。更に、G7にも入っていないスイス当局が、巨大化したグローバルプレイヤーをオフサイトは勿論、オンサイトでもきちんとモニタリング出来てるのかは、不安です。


極東に居る我々は、市場を通じて推察するしかありませので、欧州市場の金利、クレジット、株価には注意が必要ですが、①ユリボーがなかなか低下しなかったり(更にTAFの金利の方がユリボーより高かったり)、②今週、話題になったLibor問題も、欧州金融機関がドルLiborを実勢よりも10BP程度低くBBAに申告していたことから問題となったり、、、と不安は拭いきれません。


そこで、先週のG7やFSFでは、グローバルプレイヤーは、グローバルな基準でグローバルな監視体制でモニタリングしたいということになったと思います。個人的な邪推では、ターゲットは、ずばり欧州金融機関だと思いますが、その意味でも、今回のG7、特にFSFは重要だったと考えています。


市場にある程度織り込まれている米系金融機関の決算よりも、欧州金融機関の決算&資本増強の方がより重要だと考えています。GW中も欧州では、重要な会議が行われるようです、、、。次の山場は5月かな??