小さい頃の話
日曜の朝は少しゆっくり
自分の布団から一度でて 隣で寝ている
伯母の布団にもぐりこむ。
4歳の頃から一緒に暮らしているので
伯母と言っても母みたいな感じでした。
(伯母は母の姉)
伯母の布団の中で聞く話、
ちょっと大人の世界・・・
その時間がとても好きだった。
ある日
伯母がこんな事を話し始めた。
若い頃に盲腸の手術をした時のこと、
容態急変し、生死を彷徨ったらしい。
そして、
三途の川まで行ったそうな。
で、
追い返されたらしい。
【まだ早い、帰れ】
伯母が言うには
人間には寿命があって、
それも、生まれる時(前)から決まっているらしい。
はじめから6歳の人もいれば100歳の人もいる。
この時、
母の兄弟に5歳くらいで亡くなった男の子が
いたと聞いていたので
とっさにその子の事が頭に浮かんだ。
伯母は自分の寿命は今ではないと
その時分かったと話していました。
そういう特異な経験をしたからなのか?
もともと伯母がそういう性質の人だったのか?
いつもどこか、達観して人生をみているような、
母の兄弟姉妹には全くない視点を持った人でした。
それから20年近く経って 私は結婚することが決まりました。
その年の夏の初めごろから伯母は体調が良くなくて
それでも仕事と家のことと変わりなくしてくれていました。
夏の終わり、結納が終わった翌日、
いよいよきちんと病院に行って診てもらわないと・・・・・
という顔色になってきた伯母は
既に余命数ヶ月の状態だったみたいです。
結納まで我慢してくれたのかな?
そう思うと、とても悲しい涙が溢れました。
すぐ目の前に結婚式を控えている私には
心配をかけないようにと、母をはじめ
周りの親戚は、伯母の病状について、
悪いモノを採れば元気になるのだと、
安心できるような
言葉しか言いませんでした。
結婚式が終わり半年ほど経ったある日
病院のベッドで伯母が私にこう言いました。
【早く男の子を産んで】
男の赤ちゃんを抱きたいと、そう言いました。
まさか、その言葉の数日後に伯母がなくなるとは
思いもしなかったので
一年後の伯母の一周忌の席で私が
生後数週間の息子を抱いているのが
とても不思議でなりませんでした。
伯母が【男の赤ちゃんを抱きたい】と言ったのは
どういうメッセージだったのかな?
その頃、
伯母が三途の川を渡らずに戻った話を
思い出していました。
多分、
その話は私以外誰も知らないようなので
息子とバトンタッチで伯母がこの世を去ると
いうクライマックスへの
伏線だったのかな?と
もしもそうならば、伯母の人生のラストと
息子の人生のスタートは
何とも映画のようでドラマチックだなぁ・・・・
っと、
こんな風に物事をつなげて見てしまうと
スピリチュアルだの浮世離れしているだの
そう思われる方もいるだろうし、
身内が亡くなってすぐに誰かが妊娠出産すると
それを【生まれ変わりだ】と言われる事に
嫌悪感を抱く方もいると思います。
私は伯母から色んな話を聞いていたので
人間が生まれるタイミングや亡くなるタイミングは
やはり、運命的に決まった所があるのかな?と
今でもそんな風に思います。
前の記事で
【病気と寿命は別のモノ】と
身近な人に言われたと書きました。
病気が死のきっかけになる可能性は
大いにありますが
それでも、その人が亡くなるタイミングは
誰にも分からないし、
実際はその人にも分からないと思うので
もっと早く病院に行けば良かったとか
あの日、違う行動をしていたら良かったとか
あまり、責めたり後悔しないで
そういうストーリーはその人がきちんと選んで
生まれてきたと思うようにしています。
じゃないと辛いばかりですやん・・・
神秘的なエッセンスいれてもいいよね!!
伯母の話、父の不思議な話
少しずつ書いていこうかな・・・・
私自身はあれやこれや
感じる物は持ってませんけど
こうやって
聞いた話から、生きるヒントとして
勝手にこうかな?
と意味づけたり想像したりしています。