今回は「大腸の形」と、便秘や腰痛との関係について少し書いてみたいと思います。
大腸というと、誰でも同じような形をしていると思うかもしれません。
でも実際には、人によって腸の形や位置にはかなり個人差があります。
日本人の大腸は長い?
以前は、
「日本人は欧米人より大腸が長い」
という話を聞くことがありました。
この説は昔から言われてきたものですが、実際には大腸そのものの平均的な長さは、欧米人と比べて大きな差はなく、むしろ日本人のほうがやや短い傾向があるとされています。
一方で、消化器科医の臨床報告などでは、日本人は大腸の形や位置に個人差が大きいという特徴が指摘されています。
例えば、
・腸が曲がっている
・ねじれたような走行になっている
・S状結腸や横行結腸が下がっている
など、人によってさまざまです。
特に、S状結腸や横行結腸などが下のほうに垂れ下がっている状態は、一般に「落下腸」と呼ばれることがあります。
こうした腸の形は、必ずしも病気というわけではありません。
もともとの体質として、このような形をしている人もいます。
腸の形と便秘は関係する?
では、腸の形が違うと便秘にも影響するのでしょうか?
腸が大きく曲がっていたり、下垂していたりすると、便が移動するときにスムーズに進みにくくなる可能性があります。
ただ、
「腸の形が悪い=便秘になる」
という単純な話ではありません。
腸がそのような形をしていても、腸の動きがしっかりしていれば、便秘にならない人もいます。
便秘には、食事や水分、運動量、腸内環境、睡眠、ストレス、自律神経など、いろいろな要素が関係しています。
腸の形だけで判断することはできません。
腸と腰痛にも関係がある?
ここからは、身体をみる仕事をしていると気になるところです。
お腹の張りや腹部の緊張が続いていると、周囲の筋肉も影響を受けることがあります。
特に腸腰筋は、腰や骨盤の動きと関係の深い筋肉です。
腸腰筋が緊張すると、骨盤や腰椎の動きにも影響するため、腰に負担がかかることがあります。
もちろん、
「腸が原因で腰痛になる」
と決めつけることはできません。
腰痛には、筋肉や関節、姿勢、運動習慣など、さまざまな要因があります。
ただ、腰をみるときに腰だけを見るのではなく、お腹や呼吸、骨盤の動きなども一緒にみていくことは大切だと感じています。
「脳腸相関」という言葉
最近は「脳腸相関」という言葉もよく聞くようになりました。
脳と腸は、自律神経などを介してお互いに影響し合っています。
緊張するとお腹が痛くなったり、ストレスが続くとお通じが悪くなったりすることがありますよね。
逆に、お腹の調子が悪いことで気分がすっきりしないこともあります。
そう考えると、腸は単に「消化するための臓器」というだけではなく、身体全体との関係を考える必要がある場所なのだと思います。
身体をみるときに「お腹」もみてみる
腰痛や身体の不調があると、どうしても痛い場所ばかりに目が向いてしまいます。
でも実際には、
「呼吸はしっかりできているか」
「お腹が硬くなっていないか」
「骨盤は動いているか」
「身体全体が緊張していないか」
など、少し視点を広げてみることも大切です。
腸の形にはかなり個人差があります。
だからこそ、「この形だから悪い」と考えるのではなく、その人の身体全体をみながら考えることが大切なのではないかなと思います。
今回は、大腸の形と便秘、そして腰痛との関係について書いてみました。
※腸の形態には個人差があり、掲載しているイラストはイメージです。

