振り返り日記

 

 

 

 

父の枕元には靖国神社のお札がある

 

 

息子がこちらに帰ってくる時

 

戦争で亡くなった父のお父さんに会いに靖国神社に寄ってきたらしい

 

 

息子は小さな頃から戦争で亡くなった祖父の父親の話をよく聞いていた

 

息子からすると”ひいおじいさん”にあたる

 

 

父のお父さんは父が母親のお腹にいる時に戦争に行き亡くなっている

 

なので父は、一度も父親に会った事がない

 

 

だけど父の中で戦争で亡くなった父親は自分の誇りであり

その存在を大きく感じながら今まで生きた

 

 

それは父の子である私たちはもちろん、孫である息子もまた

父から戦死した父親のことをよく聞かされている

 

 

 

息子が言う

 

「俺、おじいちゃんの戦死したお父さんに会いにいってきたんや

おじいちゃんのことよろしくお願いしますと伝えてきたんや」

 

 

そして、「おじいちゃんのそばにいてくれるようにお願いしてきた」という

 

それが形としてわかるように

お守りとして靖国神社のお札を買ってきたらしい

 

 

今、そのお札は父の枕元にある

 

きっと看護師さん達からしたら

この家族はおかしなものを置いているなと思われるだろうが

 

父を知る人なら

みんなこのお札の意味がわかるだろうし

心が安らいでいるだろう

 

 

 



 


 

「きっと、死んだひいおじいちゃんは戦死した時僕ぐらいの歳やったと思うねん

だから僕がおじいちゃんのお父さんのつもりで

息子のお土産に何を買ってきてやるかなと思ってこれも買ってきた」

 

と息子は金平糖を鞄から出した

 

今は食べれないけど

 

ずっと父のそばに置いておくつもりだ