CVT車の加速に対しての違和感について | まくらのブログ。

まくらのブログ。

日記みたいなものです。
ツイッターしてます。
http://twitter.com/makura_kusako
です。

CVTは滑ってる感じがする、というのはもっぱらの話のネタになる。
それは、加速とトルク感、エンジンの回転数が比例しない事に対する違和感であることは誰も否定しないだろう。

CVTに対する批判の中で、トラブルや寿命を上げる人がいるが、これらはまだ未知数だと言わざるを得ない。
戦車がCVTだからと言う人もいるが、戦車に搭載されているCVTが、そこいらの量産乗用車に搭載されているわけではない。
また、トルクの太いスポーツカーのCVTと、軽自動車のCVTもまた別物で、トルクのせいで寿命が短いのか、軽自動車用のCVTが貧弱なのかも比較は出来ない。

そこで加速についての違和感だけを指して、自分なりの結論を出してみる。

まずはCVTに乗り慣れている人、以下Cさんとする、そのCさんが乗るCVT軽自動車での加速を例えてみる。

アクセルを踏み込み、回転数は3000回転で10〜20km。約2秒。
アクセルそのまま回転数3000回転、30km。約5秒。
アクセルそのまま3000回転、60km。約10秒。
アクセルを緩めて1500、60km巡航。

こんなところだ。

次にトルコンATとMTに乗ってるトルコンさんのATの加速の場合を例えてみる。
ギアは変速していくものとして、あまり詳しくは書かない。

アクセルを踏み込み回転数1500回転、10km〜20km。約2秒。
アクセルを踏み込み回転数3000回転、30km。約5秒。
ギアが変わり1500回転、そこからアクセルを踏み込み回転数3000回転、60km。約10秒。
アクセルの踏み込み終わり維持、回転数3000回転、60km巡航。

トルコンさんはアイドリングを1000とした場合、ギアチェンジの3000回転を目安に、1500回転から3000回転を繰り返し、その度にスピードレンジが上がっている。
今回の例では1速3000回転で30km、2速3000回転で60kmという非現実的ではあるが、そういう想定での例を上げてみた。

上記二つの違いは、CVTで3000回転していても時速10kmで走っている場面が存在すること。
そして指摘したいのが、思うような加速感という点だ。
それを想定してトルコンさんにCVT軽自動車で加速した場合を例えてみる。

アクセルを踏み込み3000回転、10〜20km。約2秒。
ここでトルコンさんは回転が高いのに20kmしか出なくて、加速について不安を抱く。
なのでトルコンさんは早く加速をするためにアクセルを踏み込む。
回転数4000回転、30km。約5秒。
CVTは急なアクセルオンは登坂を想定して加速ではなくトルクに重きを置く場合が多く、トルクは太くなるが加速はあまり行わない。
トルコンさんは想定した加速を得られず、回転数が高くなり、これ以上踏むのを不安がる。
この時、トルコンさんはCVTが滑っていると感じ、ロックアップさせようとアクセルを緩めたり踏んだりを繰り返す。
回転数1000〜3000回転、60km。約10秒。
アクセルを緩めてはいるが、必要トルクは充分なので加速が遅くなったりはしない。
そしてトルコンさんは一度緩めて踏み直した時に、違和感なく加速する瞬間を感じる。
これはCPUが登坂ではなく加速だと判断して加速側にCVTを操作したからだ。
そのままアクセルを微妙に踏み込み3500回転、60km。約9秒。
アクセルは踏み込んだものの加速にはあまり使われず、到達時間にあまり差は無い。
そして巡航するためアクセルを緩めるが、思う速度まで落ちないのでアクセルオフ。
回転数1500回転、回生ブレーキも作動、55km。
速度が落ちたのでアクセルを踏みなおす。
回転数2000回転、時速60km。
そのままゆっくりアクセルを緩めて回転数1500回転、時速60km巡航。

このようにCVTの操作を理解せずに、無駄にアクセルを踏んだり離したりしてしまいます。
結果として、CPUが制御している加速より早く加速することも出来ず、巡航するのにもひと手間かかってしまっています。

CVT車の加速はCPUで制御されているので、アクセルをどのように踏もうが、ある程度アクセル開度は調節されていて、
ゼロ発進であればトルクに振られる事が多く、
加速に振られるのは発信して少し速度が出てからになります。
3000回転回しているのに加速しないと判断し、不安と恐怖でアクセルを踏み込んでも加速しないのはそのためです。
結果としてトルコンさんは言います。

「エンジンが回るだけで全然加速しない」

これは間違いではありません。
トルコンATやMTでは、アクセルを踏めば踏むだけ加速感とトルクが比例して加速するのに対して、
CVTはアクセルを踏んだ場合、エンジンは回りますが、それがトルクに振られるか加速に振られるかはCPUが制御します。
また、軽自動車みたいに元からパワーがなくスポーツを想定していない車の場合、
CPUがどのように判断しても、エンジン回転数だけ上がり加速しないと感じる場合が多くなります。

また、これは感じるだけでなく、実際に一般道の加速についていけない場合が多々あります。
普段のトロトロした流れでは違和感なくとも、前に車がいる時の右折時、対向車線の車が少し途切れる場面、
列んでいけば2台とも右折できるような時、
前の車が加速したと同時にアクセルを踏み込んでも、前の車には全然追いつけません。
それどころか加速が悪く右折してしまった事に恐怖を感じる場面も少なくありません。

このように、想定した速度と回転数が、思うような速度に到達できなかった場合、アクセルを踏み込んでも加速しないという違和感は、運転を不安に感じさせる一因になります。

これを総じて、運転するにあたってCVTは滑っていると感じる、CVTは加速せず怖い、CVTはクソ、という意見になります。

今回は軽自動車を想定して話しましたが、このCVTに対する批判意見というのは、
前に乗っていた車のパワーとトルクが、新しく乗ったCVT車以上の場合は同じように感じます。
低馬力低トルクの車に乗り換えたんだから、パワー不足を感じるのは当然だろうという意見は当然です。
しかし、その違和感の正体は、前の車では2000回転も回っていれば60kmまですぐ加速したのに、
CVT車は3500回転でもまだチンタラした速度、それで踏み続けなければ同じ加速をしてくれない、
といった回転数に対するリニアな違和感なのです。

ここでわかりやすく例えると、
野菜を包丁で切る場面を想像して下さい。
芯がしっかり残っている新鮮なセロリでも切りましょう。
トルコン車は切りはじめはあまり力を入れず、刃を押したり引いたりでセロリに刃を入れます。
そのあと力を込めながら前後に刃を動かし、
結果として綺麗にストンと切れました。
CVT車の場合は、包丁で自動的に切ってくれるマシーンがついています。
ボタンを押し続ければ自動で切ってくれます。
ボタンを押し込むと、いとも簡単にセロリは自動で切られました。
そのマシーンを古い人が使うと、遅いとか、もっと刃を動かせとか言いながら、そのボタンを強く押し込んだり、少し緩めたりします。
しかし、結果としてボタンを簡単に押し続ける時と何も変わりません。

古い人間はCVTの使い方を理解できていない。
結論としては、これが全て正しいのです。

私は古い人間なので、アクセルと加速がリニアに連動しないCVTは苦手です。
違和感こそないですが、いざという時にエンジンの回転数だけ上がって、思ったように加速しないという場面はやはりありますので。

では、今回はこの辺で…