5月16日(木)





十八世中村勘三郎さんという人はとっても短気な人でした





ちょっとしたことですぐに沸点に達して、言い争いになったり 手が出てしまったり 「表へ出ろ!!」になってしまったり 一緒にいる人間はそれはもうたいへんでした





勘三郎さんと一緒に居て、たくさんのトラブルやハプニングを経験して来たのでいろんなエピソードを持っていますが、ある時こんな事がありました





ちょうどコクーン歌舞伎が始まって勘三郎さんが次々と歌舞伎に新しい試みを取り入れ始めた頃だったと思いますが、舞台を終えた勘三郎さんと食事をして数軒お酒を飲み歩いて その頃から勘三郎さんの小日向の自宅に泊めてもらっていたので気分良く小日向へ帰ったら、「演劇界」という有名な演劇の本が届いていました





勘三郎さんの新しい歌舞伎の試みに対して書いた記事が載っていて、それを読んだ勘三郎さんはとたんに顔色が変わり深夜にもかかわらず編集室へ電話をかけて「ちょっとこの記事書いたヤツを出せ!!」と言って その真意を確かめようとしましたが、本人が逃げたのかどうかは分かりませんが話ができず 結局「お前のところの本には俺の写真は二度と使わせない!! 俺の芝居の事は二度と書くな!!」と言って絶縁宣言してしまったんです





勘三郎さんは決して悪いことを書かれたから怒ったんじゃないんですよ





書いた人がこれまで勘三郎さんが地道に積み上げてきた事を何も観ていないし、書かれた事がまったく的はずれだったし その人がきちんと芝居を観て書いていないから怒ったんです





結局、勘三郎さんの写真は約1年くらい「演劇界」には載りませんでした





その頃の「演劇界」を調べてもらえば分かると思いますから、お時間のある方は調べてみて下さいね!!





本当に面白い人でしたよねぇ…………