BM50 ⑤ | HWD+e

BM50 ⑤

30、グレッグ・ヴァレタインのザ・ハマー

鈍角に肘を固定し、体全体を移行させることで肘を打ち付ける、合法工夫が凝らされた、美しきバーバリックレスリングムーヴ。多くは重力ドロップのエクスキューズと、それゆえの優美さを伴う。それが花咲ける70年代のミッドアトランティックムーヴのミソ。

29、レックス・ルガーのパワースラムとトーチュアラック

マットレスリングなどはほとんど見せず、ジャンピングエルボードロップなどは自分のダメージの方が大きいのではというくらい、ベタ背中から落ちていたルガーだが、カウンターで瞬時に繰り出すパワースラムは、スクープスラムというより正にパワースラムの名称が似合う、力強さが感じられて上手かった。

技としては、この連係がルガーの唯一の見せ場。

そしてそれに続くトーチュアラックは、古のアルゼンチン・ロッカ以来の復刻技。つまり、ロジャースの宿敵だったロッカの技で、フレアーを悶絶させる場面を作りたかったというHQの意向が強く働いている。同時に、ロジャースの時代を終わらせた、ブルーノのカナディアンバックブリーカーの意味も含有させている技マーケティング。

レックスは十分以上にその役割を果たし、この技でフレアーと、フレアー史上でも有数と言える、名勝負を残した。

28、スネイク・ロバーツのDDT

80年代になってから、拡汎力のある技を作り得たことに驚きを持って称える、苦労人ジェイク・ロバーツの、魂のクリエイション。この技が出来、それが流行り定着し、クラシックになっていく過程をつぶさに目撃出来たことを喜ぶ。

27、キング・ローラーのパイルドライヴァー

誰のパイルドライヴァーが最も素晴らしいのかは議論を呼ぶが、これを最も効果的に使っていたのは、キングだろうと思われる。テネシーのアスレチックコミッションを巻き込んで、この技をわざわざ禁止に指定してから、キングに使わせた。

事件も残す危険技だが、ゆえに完璧なフォームとタイミングでのそれは、説得力を持つ、必殺技の貫禄を持つ、数少ないプロ技のひとつ。

名手としては他に、ハーリー・レイス、ポール・ヴァション、ラリー・ズビスコ、バディ・ローズ、アダム・ピアースなど。

26、スーパー・デストロイヤーのスーパープレックス

若くして病死した、ガニアキャンプ出身スコット・アーウィンが遺した、スーパーデストロイな技。MSWA時代のスーパー・デストロイヤーは、これをしっかり倒立させて使ったという。ゆえに強烈過ぎて、自身すぐに使用自粛に走ったとも。だからスーパーDの初期Ver.のこの技は、あまり観た人の少ない、幻の大技。

厳密には大反則技ではあるのだが、これにもやはり、必殺技のムードが充満する。ウィンダムのものなど、目を覆うほど危なかった。これで決まらずにGTSやAAで決まるなど興醒めもいいところ。スーパーAAにはそれなりの迫力はあるが。

It’s Good to Be the King...Sometimes/World Wrestling Entertainment

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