新ノースアメリカン王者 The Shiek !
NWA Fusion というフロリダ?のグループで、NWAフロリダとNWAミッドウェストの両王者ザ・シークが、セントピータースバーグ?で、ノースアメリカン王者エル・グラン・アポロを倒して、新北米王者になったのが、先月30日。
イラン出身だというザ・シーク。かつてデトロイトを支配したファーハットの名を名乗るとは、大胆不敵な奴である。片やエル・グラン・アポロも、80年代前半に南部で評判になった、甘いルックのキューバンガイの、多分二代目。こちらはロック・ムラコのように、ごつい。
10人並の体躯で、筋骨切れ切れでもない、普通の容姿のイラニアン。黒と黄のシングレットに先鍵のブーツ。アラーの神に祈りを捧げてから、ラクダ固めで締め上げる。最後は何かフォリンオブジェクトで殴りつけて、アポロをリアル?KO。アポロは必要もないのに血を流しながら立てない。アクシデントなのか?
エドワード・ファーハットは、実は何人種かは別にして、シリア出身ザ・シークとして、50年代に売れっ子になった。絨毯を敷いて延々とアラーに低頭し、バレットを引き連れるとともに、猿か豹のようにぐるぐると動きまくり、尖りものを巧みに操り、目と舌で100もの表情を演じ分けた。
ブルーザーやエリックとともに、その役に成り切り、全米中でドルを呼び、遂にはオートモービル産業全盛のモーターシティ・デトロイトの、NWAのプロモート権を手に入れ、コボ・コンヴェンションホールを舞台に、オリジナル・ザ・シークの一時代を築いた。
シークは、55を過ぎて、白髪のじいさんになってからでも、バンデージドの5インチスパイクネイルを武器に、若手のゴツ系とも渡り合った。後ろから髪を掻き分けるように掴み、小気味いいくらいのリズムで、額を突きまくった。小さい老人なのに少しも怯ます、凶器を下腹部に隠してどんどん向かっていった。よろよろと徘徊しつつ、しかしながら実に手際よく、いつの間にか突然、あたりを火の海にしてみせたりした。プリブレのTバッグのモデルはシークだろうと、そんな怖さがあった。
今時のアメリカで、新らしのザ・シーク。アイアンシークならまだしも、ザ・シークという題に挑む勇気が凄まじい。まだこけおどしのような目を向くポーズしか見えなく、ザ・シークというより、かつてインジアナにいたアリ・ハッサンかグレート・ハッサンのような、亜流臭の強い新北米王者だが、NWAでは二番目に大きいとされるヘヴィー級のベルトなだけに、いずれシャーロットのオールスター戦にも、顔を見せねばならない義務も出てくるだろう。
オリジナル・シークは、サム・マチニック大老から、あんな凶器野郎は、私の目の青い?内は、キールには上げないと毛嫌いされ、遂にはスクリュウのようなことではめられて、NWAのメンハーシップをも失っていくが、今度のシークはそこまでクレイジーでもない分、シャーロットに呼ばれる可能性は?ありそうだ。“シーク”が、そんなことでいいのかという主張はあるにせよ。
NWAは、まだNWAという組織に加盟している意味が見つけられもしない段階だが、各地にカラフルなスター候補は、着実に目を留められ始めている。
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