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 売れなかった巨漢の黒人、ジム・ハリス。彼はある日、ピンフォールもレスリングもFILAも合衆国も、ジョービジネスもマネーも民主主義も、何もディファインし得ない未開人ヘッドハンターというギミックを与えられて、突然ブルームする。与えたのは、かのJ.J.ディロン。レスリングはおろかピンという思想も全く理解しないウガンダジャイアントが、背中を付けるという決着にすら向かわないという面白さは、J.J.が細部まで整えた、キマラの売りのひとつであった。


 キマラには、J.J.ディロンがスカウトして来て、代理人フライデーを通し、アクバにオイルマネーで権利を売っ払うという、その人権問題的背後ストーリーが見据えられなくては、その過去風刺プロジェクトは完結などしない。キマラのパフォーマンスに幾多のF'Nマネージャーズが見え隠れしないわけなどなく、ましてやフライデーが常に居ないなど考えられないのだ。それがたとえ“2”であっても。


 日本では、どういう権利関係をクリアしたのか知らないが、キマラの肉弾パフォーマンスの上っ面だけを剥がして粗模写したような“2”が扱われていたが、巨漢の黒人にケバいペイントをして暴れさせておけばキマラになるという軽薄さは、この上なく痛かった。


 外国人のスターを、短期集中的に呼んで興行を打つ必要性に迫られて、考え出された遥か極東のビジネスモデル、シリーズ制。NWAのスターを借りて紹介する番組として、TVで成り立っていたProresuビジネス。半年も一年も、ダラスのスターFVEが、極東にいられるわけもない。でも2週間なら、アメリカの一流を呼べる。そうして我々はスターを観れ、目を磨けもした。


 しかしそれは逆に言えば、半年はいなければそのパーソナリティが理解できないタイプ、特にワイズな技巧の悪役などは、受け入れられ難い方式があったともいえる。フラッシィな一発をもつパワー派のパフォーマーが日本で受けたことの理由であり、ラリーZやマット・ボーンなどが日本で受けなかったことの理由でもある。


 ましてやパワーパフォーマンスとは無縁のマネージャーなど、一人の演者としての生産性を診た場合、ブックをしなくてもいい方向の検討となる。マネージャーの整頓したギミックの、依り立つ苦心の程、なども。


 AWA王者ボックウィンクルにさえ、ヒーナンが居ないという異常。ブラッシーはよく来ていたけれど、ウィザードがいなくていい場面など、なかったはずなのだ。それ以上に、ワイルド・サモアンズやムーンドッグスの傍らにアルバノは、必須の存在だった。


 “ワイルド”サモアンズが、例えば自らを律して整然とそれをコントロールしていたら、そのギミックの存立意義は宙に浮く。やはりそこに、キャプテン・ルーがいなくては。まとめての文化なのだ。


 長くグラン・ウィザードの二番手だったが、ウィザードのリタイア後はNO.1に昇格。IC王者のムラコで有名になったが、記録を見れば、ヴァレンタイン、そしてマスクド・スーパースターらもマネージしていたのだなぁ。


 もうマネージャー自体が閑散して久しいマットビズ。しかしテイカー成立にプリングルが欠かせなかったように、怪奇派、野蛮派台頭の折には、例えばウマガやカリなどがそうなように、再び活躍も期待される。


 この国ではさておき、WWEではもちろん、シンディ・ルーパーの父親役でも有名なHOFer。WWEはその時のためにも、アルバノの文化を大切に保管してくれるだろう。


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