DIP
観れる環境にはなかったはずなのに、79年の藤波とのWWF・Jr.タイトルの二連戦を、なぜか観た記憶がある。なぜか一人で、夜遅く、暗がりの中で。掘り炬燵に背中まで埋まり、両頬杖を畳に付く形で。何らかの放送の都合で、この時だけ違う放送時間だったのか。個人史に於ける、所謂蕎麦屋の風景だ。定かならずも。
間違いなく好勝負であり、熱戦であり、グッドマッチであり、五臓六腑に感動が染み渡る、一流のエンターティメントであった。藤波を撃ち破った逆さ押さえ込みも忘れてはいないが、ロープ際で行われた、ジャーマンスープレックスの打ち合いの攻防を、何よりも憶えている。元WWFのチャンピオン、剛竜馬のハイライト。
マツダ二世とオレゴンの閂反りのマスターの、時ならぬ極東でのティーミングに、一時顔が紅潮したけれど、「ショアッ」では、多くは望めないと、直ぐにラヴマシーンを口ずさんでみたり。赤いローブのアマレスコーチのサンも、なぜブラックバートみたいにならなければならなかったか。
ストロング小林は猪木に勝てなかったけれど、剛は間違いなく、藤波を一度破っている。あの時のエクセレンスは、その後の低迷となぜかくも、断絶的な乖離を見せるか。モントリオールの谷津を、かんぬきで投げ切り勝った紅顔のフロリダチャンプと、その後の低迷はなぜかくも、断絶的な乖離を・・・。
Jr.時代の最強藤波を倒したというその記憶をのみ肴にすら、あおる気にもなれない、末節をただ憾み。
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