NWA & NZLT (5) | HWD+e

NWA & NZLT (5)

<前回から続く>


 NWA自身が、もはやWWEと喧嘩をしようなどと思ってもらってもまた違うハナシになるが、ファンが地方組織として支える今の非営利団体的外観?を、潰すとかいうこと自体にもまた意味はない。潰れない。ならば共存するしか道もない。WWEやTNAとも利益をやり取りできる関係も作れよう。


 組織、というよりも、システム、だったかつてのNWA。多分にカルテルであるなどとも言われ、初期の頃はカルテルである一面が強力に幅を効かせてもいた。しかし地域の特色あふるる種々のプロモーションの土台と、そこを行き来するタレントの交流システム。レスラーの回遊ともいうべきサーキットが組まれていて、各プロモーションの新陳代謝はいつも活発だった。その点は正に、WWEもTNAも、今問題を抱えているポイントそのもののハズである。上の方のメンバーの固定。新人を一から育てないとならない。それだけでも、NWAのよく出来ていたシステムを懐かしめる。


 WWEはそれを自ら作ろうと、現在は3ブランドを束ねている。FCWなどを加えても4つ。しかも3ブランドは同時に全米TVを持ち、3ブランドは全米に名を知られている。ドラフトという形でのやりとりは、それはそれで興奮はするけれど、未知の強豪に対するそれではない。キザーニが来ると言っても、WWEのファーム以外のどこから来るわけでもないのだ。


 マードックなどは、NWAで体勢を立て直して、再びICタイトルを狙いに戻ったらいいのだ。リフレッシュさせたいタレントは他にもいるだろう。FCWだけでは、ファームも役不足。自由な感性を深呼吸させるために必要な放牧の大自然は、あればあるほどいい。スーパースターズの個性に必要なのは、野生の狼のそれなのだ。軍人やエリートアスリーツばかりでも困る。


 公式にせよ非公式にせよ、多かれ少なかれ、NWAはそういった役割を果たしていくことになるだろう。或いはノースアメリカン王者マイク・デビアシーは、新NWAが作るWWEスーパースターズの先鞭になるやもしれない。いや或いは、JBLに続いて、という言い方をすべきなのかもしれない。新NWAは以降今までも、スーパースターを作って来ているのだ。考えてみれば。


 ローカルタイトルでないタイトルは勝手に作れないと、ことあるごとに言って来た。NWAはもともと、世界タイトルを管理するために作られたシステムだ。NWAが管理するタイトルは、世界タイトル以外ありえない、それが、今のNWAを色鏡視していた原則的理論。もちろん今のNWAタイトルは、フレアーが持っていた世界タイトルとは違う。しかしNWAが世界タイトル以外の特別タイトルを持つことは、もうそろ認めてもよかったのだ。


 では今のNWAタイトルはどういうタイトルか。勝手に作れないとなればそれはやはり、スティーヴ・リッカードのニュージーランド・タイトルにベースを求めるしかないだろう。候国ニュージーランドの血脈を引っ張ってくるオレンジ革命?だ。これがニューイングランドを飲み込んで、日本や英連邦を巻き込んでインターナショナル・タイトル化し、NWAの歴史とも混然し、ジャレットであらためてNWAタイトルが認定されたのだ。ずっと持つのをいやがっていたかのようなジャレットが持つことを決断した時点で、この特別タイトルを認めることに、我々に異論があろうはずもない。


 デーン・デットンとか、オヴィル・ブラウンとかの歴史を操作する必要はないと思う。リッカードがいて、キャンディードがいて、ジャレットが決断した。特別タイトルを認めるには十分な要件だと思う。しかしだからこそ、NWAはかつてと同じように、RAWにあるタイトルを世界タイトルであると公式に認めることも必要だ。かつてWWFがそれを強いられていたように。要件を満たさない場合は、特別タイトルを空位にする勇気もまた。


 テーズ以来の60年。フレアーまでの45年を今のオペレーションの手柄とは言えないし、NWAからの目線になったかも分からないが、なるだけ好意的に解析してみた。そういう形の、NWAだからこその特別タイトルで、いいのではないかと。それはまたジャレットのような存在とミートした時、きっと再び意味を持って、立ち上がってもくれるはずであるという、期待も込めて。


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