蕨手
テレ東の番組で、大化の改新は無かったとやっていた。遂にそこまで、エンターティメントテイストとは言え、TVで言える時代が来たのだなぁ、の感慨も。予告編では、聖徳太子はいなかったと、近日放映する予定があるとも。そう言えば、あるクイズ番組でMCのオリラジがサラッと言ってもいた。聖徳太子は現在では、いなかったのではないかと言われていると、簡単に。
おそらく、近々教科書その他でも、聖徳太子や大化の改新はヴァニッシュして行く方向に進まざるをも得ないのだろう。オリラジが流していたように割とサラッと。しかし聖徳太子や大化の改新の実在の有無をめぐっては、25年もの間、血まみれで闘って来た人がいたことは、我々は忘れるべきではない。自分で会社を作り、自費出版に近い形で何冊も本を出し続けたが、世間に全く相手にされず、泥まみれで死んでいった男。彼は無視され続けながらも、ずっと言って来た。聖徳太子の実在を認めるかどうかは、現代の踏み絵だと。
鹿島昇の言っていたことを全て支持するわけではないが、彼のガッツはとにかく凄かった。微塵も妥協せず、微塵もひよらず、硬質の切り口を決して変えない、タフガイのファイターだった。その一点のみにおいてだけでも、彼は尊敬するに値した。
研究者でもなければ白文も読めない者にとって、彼の書いていたことが真実かどうかは、分かるべくもない。が、とにかくその本がべらぼうに面白いことだけは我々にも分かった。あれが、全て彼の作り話であったとするなら、彼は天才小説家であり、全て真実なら日本の歴史はひっくり返ると。いずれにしても、彼が広く一般に知られていない存在で、いいわけがないと。北倭記や桓檀古記がそのネタ元だったとしても、その古史古伝は、一般に知られるようになって然るべきだと。
テレ東の番組の大化の改新では、三国遺事だったかに載っていたという、ヒドンの乱のことには触れられていなかったし、もはやそれを言う必要すらなかったのかもしれないが、これを読んだ当時は大そう驚いたものだった。或いは、中臣鎌子のちの藤原鎌足は、藤カムソであり唐鎌足という記述もあり、郭ムソウのことであると。大体、当時の世界大戦である白村江の戦いと、マッカーサーに相当する郭ムソウが、あまり一般に知られていなくていいのかという問題もある。
日本は元小国にして、倭国の地を併せたり、と旧唐書。白村江で敗れた倭国と百済の連合軍。潰れてなくなった連合国の百済。占領将軍郭ムソウが乗り込んできて、倭国が何のおとがめもなく、日本として強化して行く過程に、あの時代の敗戦国占領が、そんなに甘っちょろいわけがなかろうとは、野蛮人どもには誰よりも分かる。この国は今でも、外国の字を有難がって使っているのである。
聖徳太子がいたとは、唐書には書いていない。当時はアマタリシヒコという人物が、倭国の地を治めていたと。ウェブが全世界に張り巡らされるなど、とても想像がつかなかった時代の話。それはそれとして現代の人は、冷静に振舞える。
わずか25年前ですら、隠し通せると思っていたアカデミー。当時の絶対教授に師事した現在のお偉いさんもいるだろう。本人はサラッと転向して耐えるにせよ、泥まみれで死んでいった対戦者に対する何らかの落とし前は、決して避けられない人の道だ。物的にも誉的にも、間違った理論で辿り着いた先に、正しい説で朽ち果てた、タフガイの詩を何と聴く。
泣きながら、歯軋りの上に、砂を爪で掴みつつ、死ぬまで過激な新作に取り組み続けた荒武者・鹿島。彼らの説が認められていく日本は、怒濤を余儀なくされもする。しかし我々はそれに冷静に対処して行こう、KFEの田園地帯で。志半ばで崩膝して行った英霊を、決して忘れることのないように。
- 教科書には絶対書かれない古代史の真相/松重 楊江
- ¥1,575
- Amazon.co.jp
- 日本史のタブーに挑んだ男―鹿島昇その業績と生涯/松重 楊江
- ¥1,890
- Amazon.co.jp