the way, We've chosen | HWD+e

the way, We've chosen

 ダブルJを両メジャーが欲しがったのは、かなり早い段階。88年、ジェフが21歳の時には、JCP/WCWがオファーを掛けている。良血、ディグニティ。ジェフにネイチュアボーイの資質は、確かに感じられた。


 他のレスラーと同じような、簡単な一本釣りには掛らない事情。メンフィスのCWAは、代々、独特のカリスマを称える。エルヴィスを輩出した誇り。“ファビュラスワン”ジャッキー・ファーゴ。ジェリーの母は伝説の女傑。ジェリーは、ナッシュヴィルのハンサムなプリンス。そしてキング。


 ジェリー・ジャレットは、キング・ジェリー・ローラーのカリスマを頼り、NWAミッドアメリカ・ニック・グラスから独立。オーストラリアからCWAタイトルを誘致し、AWAと提携。メンフィスに独自の王国を作っていた。WWFの全米侵攻で、AWA本丸やダラスWCCWまでもが力を無くしていく中、それを全く意に介さず、キングのカリスマで、ミッドサウスコロシアムを満員にし続けた。いつしか、AWAタイトルとアメリカン・ワールドクラス・タイトル、カンサス/インディアナポリスのWWAタイトルを自分達のものにし、アメリカの第3勢力を築き上げていた。


 メンフィスはなかなか落せない。カリスマは死なない。そしてキングの後継として、次のカリスマを請け負うだろうプロモーターの息子も、落す方法はない。USWFはダラスとESPNからは撤退しても、ミッドサウスコロシアムに戻れば、相変わらず王国を堅持していた。フレアーファンは次の世界王者としてのジェフのことを、半ば諦めかけていた。しかし。


 WCWは、ジェリー・ジャレットをコミッティに招くことを画策。ジェフを親子ごと取り込む作戦に出た。一方WWFはUSWFを会社ごと丸め込む。ジェフ・ジャレット争奪戦は、かくの如く熾烈だった。ダブルJが、勇躍WWFに登場。HBKと事実上の、次代のフレアー争い。あのIC戦を観れただけでも、ジェフ獲得の意義は大きかった。


 WWFではショウンに敗れた格好のジェフ。しかしWCWでWCWのフレアーファンが欲していたのは、正直当時は、ジェフの方だった。何よりフィギュアフォーを使い、ストラットを踏む。フレアーに最も近い若者は、ジェフだとの見方。フレアーを崇拝していると言い、4ホースメンに入団を希望。ジェフのフレアー性を強調し、フレアーファンの顎の下を擽る戦術。


 ジェフはホースメンとしてもフレアーの後継としても足場を固めらなかったと断ざれたが、フレアーファンとしては、ハリウッドよりもビッグパパよりも、ゴーバーよりもナッシュよりも、ブッカーよりも誰よりも、ジェフ本位制を敷くべきだと、強く主張して譲った憶えはない。それは今、TNAという形で証明されてもいるはずだ。エリック・ビショフのまぬけ面、め。


 ヴィンス・ルッソは、ジェフに全てを賭けた。それについては圧倒的に正しかった。しかしnWoで図体がでかくなり、脳みそまで身動きが取れなくなっていたWCW本体は、冷静な判断力を失っていた。大事なことは、月曜戦争に勝つことではない。WCWはリック・フレアーのための王国であり、それ以外のことなど何もなかったのに。


 ジェフとフレアーは、97年のバッシュで、USタイトルを賭けて戦っている。20分の好勝負だった。そして何より、フレアーが最後に?世界を獲った時の相手が、チョーズンワンだった。


 ジェフは、文句のつけようのない理想的レスラー。でも何かが少しだけ、フレアーには届かなかった。プリティネス? カリスマ? フラムボーヤンス? 分かれば苦労はしない?


 フレアーはあまりにも大巨人過ぎたが、ともすれば我々には、ターリー・ブランチャードで十分だった側面も、なきにしもあらず。その意味で言えば、ジェフはターリーを後継してくれたとは思っている。


 今やすっかり、ビジネスマンの顔を見せているジェフ。いがみ合う局面にも出くわそう。しかしホースメンフッドのもとでは、我々は皆、今も何も変わらない。


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